研究課題/領域番号 |
20K19989
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分64020:環境負荷低減技術および保全修復技術関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪府立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
山崎 晴彦 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 助教 (10780900)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 非熱プラズマ / 環境保全 / 二酸化炭素 / エネルギー変換 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、非熱プラズマ脱着技術により濃縮された二酸化炭素を一酸化炭素に高効率に還元することを目的とする。非熱プラズマ処理効率を上げるために、二酸化炭素を一度吸着剤に吸着させ、プラズマを発生させることにより二酸化炭素を高濃度脱着させ、見掛けの一酸化炭素への転化率を向上させる。また、二酸化炭素分解時に発生するオゾンおよび酸素ラジカルによる二酸化炭素への再結合を防ぐために、分解された一酸化炭素を膜分離にて分離させることで飛躍的に還元効率を向上させる。以上の二酸化炭素濃縮分離非熱プラズマ脱着技術により、自己整合性のある排出二酸化炭素処理の基礎技術の確立を行う。
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研究実績の概要 |
令和4年度では、昨年度の結果を踏まえてさらなる効率向上を目的として二酸化炭素の濃縮触媒複合プラズマ処理を行った。具体的には、ガンマアルミナ、銅添加アルミナ、銅、ゼオライトの4種類を用いて、プラズマリアクタ下流にそれぞれの触媒を設置することで、プラズマ触媒複合効果を期待した。その結果、脱着時のCO2濃度は、ガンマアルミナ、銅添加アルミナ、銅、ゼオライトそれぞれで、20、19、19、25%となり、ゼオライトはCO2の吸着剤としての役割があるためCO2濃度が増加する結果となった。またゼオライトを用いた際のCO転化率が16%、エネルギー効率が10%であったのに対して、ガンマアルミナ、銅添加アルミナ、銅それぞれCO転化率とエネルギー効率は、16、10%、13、9%,17、11%となり、銅添加アルミナ触媒を用いた結果で効率が最大となった。プラズマ生成時に発生する熱は80度程度であったことから、銅添加アルミナの場合は低い温度で触媒活性が行われたと考えられる。またすべての条件下で、還元によって得られたCOの一部は、さらに原子Cに還元された。検出された原子状Cの割合は吸着剤100 g当たりガンマアルミナ、銅添加アルミナ、銅それぞれで、0.7、0.8、0.7%であった。また触媒100g当たりそれぞれ、0.2、0、0.1%であった。したがって、COの原子Cへの還元を考慮した可能な効率は、11%から117%へと大幅に増加する。特に、銅添加アルミナを使用した場合、これまでの研究よりも高い変換効率とエネルギー効率を達成することができる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究項目は,実験実施および結果の解析とまとめであり,今年度は予定通りの試験,解析を実施することができた。COVID-19の影響により、予定していた学会発表が行えなかったものの、論文を1編投稿することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後も引き続き,実験ならびに結果の分析を継続して推進する。特に、更なる効率向上のため、触媒プラズマ複合効果を期待し、触媒の設置位置および温度帯を変更して実験を行う。その他、大学のラボ実験や解析的研究を行う上での問題点は特に発生していない。
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