研究課題/領域番号 |
20K19991
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分64020:環境負荷低減技術および保全修復技術関連
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研究機関 | 東京海洋大学 (2022-2023) 早稲田大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
淵田 茂司 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (50762126)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 海底熱水鉱床開発 / ガルバニック腐食反応 / 不溶化処理 / 有害元素溶出 / 硫化鉱物 / 熱水鉱床開発 / 溶出試験 / 熱水鉱石 / 不溶化 / 尾鉱処理 / 主成分解析 / 表面錯体 / 陸上の酸性坑廃水 / 廃水処理 / 金属溶出 / ガルバニック反応 / 黄鉄鉱 / 閃亜鉛鉱 / 海水 / 反応速度 / 海洋環境影響 / 金属不溶化技術 |
研究開始時の研究の概要 |
海底熱水鉱床は次世代の金属資源として重要な開発対象となっている。今後,持続的な商業開発を実現するためには,環境への負荷を最小限に抑える技術の確立が必要となる。本研究では鉱床開発によって発生しうる低品の廃棄鉱石および尾鉱からの金属溶出抑制技術開発を目指し,最適な乾式および湿式不溶化処理プロセスを検討する。とくに,溶出ポテンシャルとなる鉱物(ZnS, PbS)の形態変化(二次鉱物生成)と硫黄被膜の生成の2つの不溶化促進メカニズムについて,X線表面分析(XPS, XAFS)と硫黄同位体比分析をもとに明らかにし,処理に伴う固液界面の化学素反応を整理する。
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研究成果の概要 |
海底熱水鉱床は次世代の金属資源として重要な開発対象となっている。本研究では鉱床開発によって発生しうる低品の廃棄鉱石からの金属溶出抑制技術開発を目的に,海底熱水鉱石を用いた溶出実験を行い,溶出する元素の特徴と鉱石の鉱物・化学組成との関係について速度論的評価を行った。その結果,鉱石内のガルバニック腐食反応によりZnSの分解速度は2桁程度大きくなることがわかった。また,炭酸塩を二次的に添加して不溶化処理する方法ついて検討した結果,溶化処理の際にPbSO4から溶出したPbイオンが炭酸イオンやケイ酸イオンと反応し,二次鉱物被膜を鉱石粒子表面に生成することでZnSの分解が抑制できることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で取り扱った硫化鉱物は資源開発に際して汚染源となりうることから,その地球化学的特徴や汚染発生メカニズム,汚染抑制方法について長年研究されてきた。今回の研究では知見の少ない海底熱水鉱床の硫化鉱物を対象として,硫化鉱物の分解が単なる酸化溶解反応のみならず,ガルバニック腐食反応によって速度が大きく向上することを定量的に明らかにした。また,海底熱水鉱床開発を見据え,炭酸塩を用いた不溶化処理が可能であることも明らかにした。これらの知見は今後進められる海底熱水鉱床開発への技術転用のみならず,現在進行中の陸上鉱山の様々な問題解決にも寄与することが期待される。
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