研究課題/領域番号 |
20K20001
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分64040:自然共生システム関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
先崎 理之 北海道大学, 地球環境科学研究院, 准教授 (10845514)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 騒音汚染 / 鳥類群集 / 生物多様性 / ロードエコロジー / 交通騒音 / 防音壁 / 低騒音舗装 / 遮音壁 / 生物多様性保全 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、交通騒音が、生物多様性を左右する種数・個体数に大きく影響することが分かってきた。このことから、生物多様性への騒音の影響を抑止する緩和策の開発が求められている。しかし、生物多様性への騒音緩和策の効果を検証した研究は未だにない。そこで本研究では、野外騒音再生システムを用いて、実現可能または高い効果が期待される緩和策下での騒音低減・周波数変化の様子を再現する。そして、各緩和策の実施が、非実施時の鳥類の種数・個体数をどの程度回復させるのか、回復の程度は群集・各機能群間で異なるのかを明らかにする。これにより、生物多様性保全に最も効果的な緩和策を提案する。
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研究成果の概要 |
今世紀以降、人為騒音による生物多様性への影響が懸念されている。しかし、生物群集への騒音影響を調べた研究は少ない。また、どのようにすれば群集への騒音影響を低減できるのかに関する知見はない。本研究では交通騒音の野外プレイバック実験を実施し、鳥類群集の種数・個体数に対する交通騒音の影響と、騒音緩和策(低騒音舗装)の実施により鳥類群集への騒音影響が小さくなるのかどうかも調べた。実験の結果、緩和策の実施・非実施を問わず、交通騒音は鳥類群集に負の影響を与えた。また、緩和策の実施により、鳥類群集の個体数はわずかに回復することがが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今日、効果的な生物多様性保全の実行は、社会共通の喫緊の課題である。騒音汚染は近年、生物多様性保全上の重大脅威であると認識されている。本研究では、鳥類群集に対する自動車騒音の影響を定量化し、騒音緩和策(低騒音舗装)の実施が鳥類群集への騒音影響をどの程度低減するかを初めて検証した。その結果、自動車騒音は鳥類群集に悪影響し、低騒音舗装の実施はその影響をわずかに緩和することが分かった。一方、今回示された騒音緩和策による鳥類群集音の騒音影響低減効果はそこまで大きくないことから、今後はより効果的な生物多様性保全上の騒音緩和策を模索する必要があることが分かった。
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