研究課題/領域番号 |
20K20003
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分64040:自然共生システム関連
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
執行 宣彦 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 任期付研究員 (70866110)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 土壌微生物 / 生物多様性ー生態系機能 / プライミング効果 / ニッチ相補性 / 機能形質 / 生物多様性ー生態系機  |
研究開始時の研究の概要 |
樹木群集の生産する多様な落葉が森林土壌の生態系機能を向上させることが古くから指摘されている。しかし、落葉の多様性が土壌生態系に与える影響のメカニズムは、十分に明らかにされていない。この原因は、主に植物の生産する膨大な種類の代謝産物が、落葉分解を通じて地下部の微生物群集とどのように関係しているのかが解明されていないためである。本研究では、落葉の多様性が分解速度を促進するプロセスを落葉混合実験により解明する。特に、植物のメタボローム解析と生菌微生物群集のアンプリコンシーケンス解析から、落葉中の植物代謝産物の分解過程と微生物の群集動態の関係を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、森林での落葉多様性が分解速度を促進させるプロセスを明らかにするために、野外で樹種組成と微生物群集の関係の把握し、室内での落葉混合のマイクロコズム試験を行った。その結果、コメツガやスギなどの針葉樹の落葉では、落葉多様性が増加しても分解率は促進しなかったが、カエデ属の落葉では、分解者微生物のニッチ相補性により分解が促進することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、森林土壌における「生物多様性-生態系機能」の関係の理解に大きく貢献する。また、森林では複数種の樹木によって構成されるが、気候変動に伴う森林の炭素動態の予測モデルは、通常、落葉分解に関する情報は単独状態での落葉の分解データしか組み込まれていない。そのため、本研究の成果は、森林生態系の炭素動態の予測においても重要な知見となる。さらに、人工林の広葉樹林化・針広混交林化などの多様性を考慮した森林整備での、土壌生態系への影響解明など応用的な研究への発展に貢献すると考えられる。
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