研究課題/領域番号 |
20K20004
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分64040:自然共生システム関連
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研究機関 | 東北大学 (2022-2023) 東京大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
原 裕太 東北大学, 災害科学国際研究所, 助教 (50866910)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 食料生産・消費 / 米・小麦食 / 雑穀 / アワ / レジリエンス / 地域計画 / 土地劣化 / 環境共生 / 雑穀食 / 水田養殖 / 脆弱性 / 景観 / 食料供給 / 米 / 地域間相互作用 / 農業生産 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,「食」を介して結びつく地域ごとの環境保全策や環境適応策が,持続的に並立できる食料・農業生産,作付体系の最適解を提示する。そのために,乾燥地の土地劣化対処で国際的に注目され,対策と課題の先進地である中国・黄土高原に着目する。具体的には,食料供給圏フレームワークの導入により,植林実施地域(消費地農村)の食料消費の現状,周辺地域から流入する穀物の量と供給圏の空間的広がり,消費地の消費変化と供給地での需要変化・環境影響との関連性,乾燥環境への適応力が高い作物の域内外での潜在需要や課題を解析し,以上を踏まえて地域間相互作用を包含した食料・農業生産の健全性評価指標を構築する。
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研究成果の概要 |
中国における穀類の生産・流通・消費に係る地域構造とその変化を明らかにし、生態系保全や気候変動への影響と対策に照らして、その方向性を評価した。助成期間のほとんどがCOVID-19パンデミックに当たり、フィールドでの活動は制限されたが、文献資料やWeb情報の網羅的収集、解析を中心的に進め、緑化地域に食料を供給する乾燥灌漑域のイネ品種の開発傾向や、中国北部農村での伝統穀物・雑穀の栽培実態、沿岸都市圏での雑穀流通、環境配慮と農村開発の文脈で進められる水産養殖と水稲栽培を融合させた「水田養殖」の特徴等を明らかにした。以上を通じて乾燥地フードチェーンの持続性と、諸変化の歴史的位置づけについて検討を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本プロジェクトでは、世界でも注目される近代的「水田養殖」技術、乾燥地の風土と共生した雑穀の生産・流通、統計値ではわからない灌漑稲作の品種レベルでの特徴の解明を、現代中国社会に焦点を当てて取組んだ。水田での水産養殖は、人類社会と自然環境との共生に向けて、SDGsにおいてもGoal 9(持続可能な産業化,技術革新)、14(海洋生態系保全)、15(陸域生態系保全)を横断的に実現する重要な実践的技術と位置づけられている(FAO 2020)。その拡大にどのような課題があるのかを、社会実装の進む中国を事例に明らかにできたことは、世界の乾燥地における食料・農業生産の持続可能性の向上において重要な成果である。
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