研究課題/領域番号 |
20K20006
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分64040:自然共生システム関連
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研究機関 | 京都大学 (2021-2022) 大阪大学 (2020) |
研究代表者 |
齋藤 美保 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教 (10868459)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 草食動物 / キリン / 捕食 / 子育て / タンザニア / 行動学 / ミオンボ林 / 仔育て / タンザニア連合共和国 / ストレスホルモン / 動物園 / 人間活動 / インパラ / 野生動物保全 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、世界中で野生動物の本来の生態環境が急速に縮小しつつあるなか、多様な人間活動(例えば観光、密猟、居住)それぞれが野生動物に及ぼす影響を定量的に示した研究は少ない。さらに、人間活動が野生動物の繁殖に関わる重要な一過程である、仔育て戦略に及ぼす影響を明らかにすることは喫緊の課題である。そこで本研究において、タンザニアに生息するキリンとインパラを対象に、多角的に捉え直した人間活動に対する、彼らの仔育て戦略の解明を目指す。この目的を達成するために、タンザニアのカタヴィ国立公園において現地調査を実施し、人間活動の分類や活動の度合い、そしてキリンとインパラの生態を解明する。
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研究実績の概要 |
本年度は、8月から9月と2月から3月にタンザニアに渡航し、短期間ではあったがフィールドワークを実施することができた。新型コロナ感染症の影響により渡航できなかった三年の間に、調査対象としていたキリンの個体群メンバーの変化や環境の変化があり、滞在期間の前半はそのような基本的な情報の収集に努めた。滞在期間の後半は、まずはキリンに焦点をあて彼らの仔育て集団を追跡し、利用場所、採食樹種、個体間距離、接触行動、授乳行動などのデータを収集した。また今回は、雨季と乾季という異なる季節にキリンの仔育てに関する調査を行うことができた。これまで雨季に調査を実施したことはなく、今回人間活動の影響だけではなく、環境の変化による仔育ての違いを初めて観察することができた。今後は雨季におけるキリンの仔育てのあり方についてもデータを集中的に集めることで、仔育て戦略に影響を及ぼす要因について多方面からの検討を重ねたい。 調査地のカタヴィ国立公園に新たに赴任した園長や生態学者と研究計画について打ち合わせを行い、調査を進める上で必要不可欠な支援を得ることができた。また、カウンターパートであるタンザニア野生動物研究所の訪問も、数年ぶりに行うことができ、これまでの調査結果の共有および今後の調査計画の打ち合わせを行い、次年度の研究の進め方に関する具体的な計画を立てることができた。 成果発表を兼ねた講演やワークショップを企業、動物園、他大学等で実施した。また、論文を一本発表し、学術誌への寄稿などもおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、三年ぶりにタンザニアへの渡航が実現した一方で、三年間の現地の変化は大きく、滞在当初は調査環境に関する基礎的な情報収集やカウンターパートとの関係性の再構築に多くの時間を取られることになった。そのため、本研究に関する実際のデータ収集は、数週間しか行えなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度も、7月から8月および2月から3月の二回、タンザニアへ渡航する。引き続き、キリンの仔育てについてのデータ収集を実施する。加えてインパラの仔育てについてのデータ収集も新たに開始する。その後、データをまとめ、同じ草食動物でありながらその特徴が大きく異なるキリンとインパラにおける仔育ての違いを、人間活動の側面から分析する。
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