研究課題/領域番号 |
20K20007
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分64040:自然共生システム関連
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研究機関 | 東京農工大学 (2021-2022) 明治大学 (2020) |
研究代表者 |
小林 翔平 東京農工大学, 学内共同利用施設等, 特任助教 (60868727)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | アオウミガメ / 地球温暖化 / 小笠原諸島 / 繁殖時期 / 産卵場所 / 性比 / ドローン / 衛星発信機 / 温度ロガー / ウミガメ / 繁殖参加頻度 |
研究開始時の研究の概要 |
ウミガメは孵卵温度で性別が決定する温度依存性決定を行うため、地球温暖化により将来性比が極度に歪曲化することが危惧されており、現在それを防ぐ保全策が考案されている。一方、太古より気候変動を経験したウミガメは、気温が上昇しても、性比の極度な歪曲化を防ぐことができる生態(温暖化適応生態)を有する可能性が考えられる。よって、地球温暖化時にウミガメを保全するためには、この生態の有無を理解しなければ、保全策を実施すべきか判断できない。本研究では、東京都小笠原諸島のアオウミガメを対象に、地温や水温等の環境要因と繁殖時期の関連性や繁殖頻度の性差等を調査し、成体期のウミガメが温暖化適応生態を有するか検証する。
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研究成果の概要 |
ウミガメは砂浜に産み落とされた卵の温度で性別が決定するため、地球温暖化の影響を受けることが懸念される生物である。本研究では東京都小笠原諸島に来遊する成体のアオウミガメを対象に、成体期のウミガメが地球温暖化に適応する生態を有するか検証した。結果、暖かい年ほど産卵時期を早めることや日陰に産卵することによって、性比の年毎の変動が小さくなることが明らかとなった。以上のことから、本研究で示された行動は温暖化適応生態になり得ると判断された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在地球温暖化による孵卵温度の上昇、そしてそれに伴う過度なメス化が単純に予測され、日陰を作る、水を撒くといった人為的な孵卵温度低下策等の保全策が世界的に考案・実施されている。本研究の成果は、現在考案されるウミガメの性比に関する保全策の是非を問うものである。さらに、本研究は地球温暖化がウミガメに与える影響を評価するものであるが、その成果はワニ等の他の温度依存性決定を行う動物の保全にも貢献することが期待される。
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