研究課題/領域番号 |
20K20040
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 摂南大学 (2023) 高崎経済大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
中澤 芽衣 摂南大学, 現代社会学部, 助教 (40845731)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ウガンダ / ジェンダー不平等 / 差別と偏見 / 国際移動 / 貧困脱却 / 土地政策 / 脆弱性 / 地域社会 / 恋人関係 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、現代アフリカで地域社会から排除され、国際社会による支援が届いていない女性に着目し、彼女たちが経験した暴力の記憶や地域社会における立場を検討し、彼女たちを支援する方策と包摂する社会のあり方を探究することである。具体的には、「女性が経験した暴力」「恋人がもたらす負の連鎖」「恋人をもつ女性が理想とする生き方」の3点を検証し、ウガンダ農村に暮らす女性が直面する貧困問題の解決を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、ウガンダ南部の農村内で経済的困窮・社会的孤立に苦しむ女性に着目し、彼女たちが地域社会で受けた不当な扱いや貧困に陥る社会構造を検討し、彼女たちを支援する方策と包摂する社会のあり方を探求することを目的としている。 2023年度、ウガンダ共和国への現地調査を実施することができなかった。しかしながら、調査協力者の協力を得て、オンラインで全戸調査と農村を離れた人びとの移入先に関する調査をおこなった。聞き取り調査から、調査村では深刻な土地不足に陥っていることが明らかとなった。父親から土地を相続できない若者が多く存在し、土地不足を理由に村を離れる若者がいることがわかった。若者の流出は、農村内の出生数の減少にもつながる。今後、農村に居住する若者のあいだで土地不足を理由に、妊娠・出産の回数を減らすという選択をとる人が増える可能性が示唆され、アフリカ農村で少子高齢化が加速することが予想される。 3月にイギリスの国立公文書館において、保護領期に実施された土地政策や土地をめぐる争いに関する行政文書を収集した。保護領期に、保護領政府が制定した土地法によって、土地に対する男性の権力が高まり、女性の土地へのアクセスが困難になったということが明らかになった。 アウトリーチ活動として、高大連携プログラム「みらいマップ(常翔啓光学園)」において、「人びとの暮らしから豊かさについて考えるーアフリカ農村を事例」というタイトルで講演をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していたウガンダ共和国への現地調査を遂行することができなかったが、SNSを利用して全戸調査を実施することができた。全戸調査で収集したデータをもとに、人口動態に関する研究に着手することができている。しかし、移入・移出する要因や世帯の特徴について現地調査を実施する必要があり、進捗はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の影響によって、研究期間の延長を申請した。2024年5月に開催される日本アフリカ学術大会で口頭発表を実施する。2024年8月にウガンダで現地調査を実施し、男性と離別・死別を経験し、経済的困窮・社会的孤立に苦しむ女性が求める支援について聞き取り調査を実施する。2024年度には、男性との離別をきっかけに、国際移動を実施した女性に関する現地調査を追加し、11月にトルコ共和国に渡航する予定である。これらによって、地域社会における女性世帯の脆弱性や流動性について分析、検討し、成果をまとめる。
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