研究課題/領域番号 |
20K20062
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
島上 宗子 愛媛大学, 国際連携推進機構, 教授 (90447988)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | コーヒー / 都市・農村関係 / サプライチェーン / インドネシア / 農業後継者問題 / トラジャ / 農村変化 / 中間層 / 農民組織 |
研究開始時の研究の概要 |
インドネシアの主要都市では近年、国内のコーヒー産地から生豆を直接買い付け、自家焙煎したコーヒーを提供するスタイルのカフェが増えつつある。それと呼応するかのように、生産地側でも農民グループが組合を設立し、生豆・焙煎豆を都市部に直接販売するなどの新たな取組が現れはじめている。 本研究では、コーヒーに注目することで、新興国インドネシアにおける社会変化を、都市と農村の双方に視点を置いて動態的に捉えるとともに、こうした変化がより持続可能なサプライチェーン創出につながる可能性と条件を考察する。スラウェシ島トラジャを主たる生産側の調査地、マカッサルなどを消費側の調査地として現地調査を行う予定である。
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研究成果の概要 |
本研究では、インドネシアの都市部におけるサードウェーブ系カフェの急増に注目することで、インドネシアの社会変化を捉えるとともに、こうした急増が、生産者がより主体となった、持続可能なコーヒー・サプライチェーン創出につながる可能性を検討した。主たる調査地としたマカッサル市では2015年頃から若者らがカフェ・焙煎所を開き、良質の豆を求めて生産者と直接取引する「関係コーヒー」が活発化した。有数のコーヒー生産地トラジャでは豆の集荷・精製への若者の関与や、農民組合の組織化など新たな動きが確認できたが、コーヒー生産が農家家計に占める割合は高くはなく、農家の後継者問題は引き続き課題であることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、コーヒーに着目することで、過去20年にわたって民主化と経済成長が進んできた新興国インドネシアにおける社会変化(中間層の成長と特徴、若手起業家たちの動向、国内市場の成長、都市-農村関係)を明らかにした。他のコーヒー産出国(ベトナム、ラオスなど)との比較を通じた考察も可能であり、東南アジア地域研究における意義は高い。また、より公正で持続可能なコーヒーのサプライチェーンに関する研究は数多いが、大企業や援助団体、政府主導ではなく、都市の小規模な若手起業家と農村部のイノベーターらによる連携による新たなサプライチェーン創出の実態を明らかにしたものは少なく、学術的・社会的意義は高い。
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