研究課題/領域番号 |
20K20081
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 福知山公立大学 |
研究代表者 |
佐藤 充 福知山公立大学, 地域経営学部, 准教授 (50782281)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 観光地経営 / スマート・ツーリズム・デスティネーション / スマート・サステイナビリティ / ビッグデータ / データマネジメント / サステナブル・ツーリズム / スマートな観光地 / サステイナブル・ツーリズム / スマートツーリズムデスティネーション |
研究開始時の研究の概要 |
近年、ICT技術やセンサー技術の発展と急速な普及を背景に、観光分野においても、ビッグデータの活用をテーマにした研究が盛んに行われている。その一方で、ビッグデータを観光地経営にいかに活用できるかという点に関する研究は十分に蓄積されていない。 そこで、本研究では、ビッグデータを活用したスマート化に取り組む国内外の観光地を対象にした事例研究を行い、観光地のスマート化とそれを支えるデータマネジメントを実態的に解明することを目的としている。
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研究実績の概要 |
本研究は、先進的な観光地の事例分析を行い、観光地のスマート化とそれを支えるデータマネジメントを実態的に解明するものである。 これまでの研究により、観光地のスマート化が、サステナブル・ツーリズムの実現を目指した観光地経営の高度化を促進させる取り組みであることが分かった。また、国内のDMOや大手ITベンダーへの聞き取り調査から、技術的な課題よりも、観光関連事業者間でのデータ共有に関する合意形成及び経費負担をはじめとしたマネジメント面での課題が重要になっていた点が明らかになった。 令和5年度では、まず、スペイン政府が推進する「スマートな観光地」プロジェクトに関する資料を収集し、スマートな観光地の形成・運用を実現する方法論やツールを把握した。次に、国内のDMO(海の京都DMO)を対象にして、データプラットフォームの運用に係るヒアリングを実施するとともに、CRMシステムに蓄積された顧客データの効果的な活用方法の検討を開始した。第三に、観光地が提供するスマート技術を活用したサービスへのニーズや懸念点を明らかにするために、若者世代の国内旅行者を対象にしたWeb調査を実施した。 これらの研究から、スマートな観光地の均質性や相互補完性を確保するために、国家レベルで、観光地のスマート化に係る指標、ツール、プラットフォーム、マネジメントシステムを標準化する規格を整備することが重要であった点が分かった。また、国内DMOの事例からは、データプラットフォームの持続的な運用を可能にする収益化モデルが必要である点が見出された。 その一方で、新型コロナ感染症の流行による影響と育児負担により、当初予定していた海外調査は延期とした。この調査の目的は、スマートな観光地の形成・運用に関する実態とそのデータマネジメントを明らかにすることであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年度は、観光地のスマート化において、世界的な先進事例であるスペイン政府の「スマートな観光地」プロジェクトに関する資料をサーベイし、訪問調査におけるヒアリング項目を設定した。国内における観光DXの取り組みとの比較を行い、スマートな観光地の形成・運用に必要となる論点を見出した。また、国内のDMOが運用するデータプラットフォームに関するヒアリングを行うとともに、CRMシステムに蓄積されている顧客データの活用方法について、実践的に検討することになった。他方で、観光地におけるスマートサービスを利用する観光者にも、学術的な関心を寄せ、Web調査を通して、スマート技術を用いた観光サービスのニーズやデータ提供の意向を把握した。これらの研究成果は、次年度以降に、学会発表や論文としてまとめる予定である。 しかしながら、海外事例への訪問調査は、新型コロナ感染症の影響と育児負担により、延期を余儀なくされた。そのため、当初の研究計画に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度では、これまでに構築した分析枠組みに基づき、海外事例(スペイン)への訪問調査を実施したいと考えている。また、令和5年度の研究成果を発信するために、学会発表・論文執筆を行うことを予定している。
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