研究課題/領域番号 |
20K20088
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 多摩大学 |
研究代表者 |
李 崗 多摩大学, グローバルスタディーズ学部, 准教授 (60832657)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 親族・友人訪問 / VFR / 中国人旅行者 / インバウンド観光 / 人間関係 / VFR旅行 / 関係(guan'xi) / 中国人新移民 / 中国人コミュニティ / ソーシャルメディア / 訪日中国人 / host and guest / 知人・親族訪問 / ホストとゲスト / 関係 / 観光人類学 / 旅行経験 / 関係性 |
研究開始時の研究の概要 |
日本を訪れるインバウンド観光者が急増しているなか、知人・親族訪問を目的とした旅行、すなわちVFR(Visiting Friends and Relatives)も盛んになりつつある。日本ではVFRが増加している現状とは対照的に、それに対する学術的関心は必ずしも十分払われているとは言えない。本研究は中国人によるVFR旅行に注目し、VFR旅行が遂行されるまでの準備(旅行前)と、日本滞在期間中の旅行体験(旅行中)と、ホストとゲストの両方に与える影響 (旅行後)といった実態を総合的に把握し、日本におけるVFR旅行が成立するプロセスとメカニズムを解明するものである。
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研究成果の概要 |
中国人の国際移動のと活発化に伴い、日本滞在の親族や友人の訪問をきっかけに訪日した中国人旅行者は増加しつつある。本研究ではまず、中国による海外旅行の拡大と親族訪問との緊密な関連性を文献分析を通して確認した。次に、中国人VFR旅行の旅行前、旅行中、旅行後の一連のプロセスにおいて、ホストとゲストとの相互交渉の実態を質的調査により明らかにした。さらに中国VFR旅行をめぐる旅行経験について、「関係(guanxi)」と人間関係の規範に枠付けられながらも、ホストとゲストが置かれている社会文化的状況によって多様な形態が表出するダイナミクスの一端を分析し、そのダイナミクスを捉えることの重要性と方法を指摘した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本では、VFR旅行の概念やメカニズム、観光ビジネスとしての可能性はは十分に認識されていないのが実情である。観光研究では、VFR旅行に着目した個別の研究は存在しているが、ホスト=ゲストが置かれる社会文化的な文脈を踏まえ、VFR旅行が成立するプロセスと旅行経験にアプローチする実証的調査は、十分行われているとはいえない。こうした現状に対し、マクロな視点からの中国人VFR旅行に関する検討と、ミクロなレベルでの実証的調査を融合した本研究の研究成果は、今後、日中間の越境移動と在日中国人社会の動向に注目する観光研究や移民研究において、基礎研究としての知見を提供したものとなったと言える。
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