研究課題/領域番号 |
20K20096
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80030:ジェンダー関連
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
伊達 平和 滋賀大学, データサイエンス学系, 准教授 (70772812)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 性役割意識 / 家父長制 / 中間回答 / 族社会学 / 比較社会学 / アジア / 家族社会学 / 家父長制意識 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題はアジアにおける家族の国際比較研究の方法論を「家父長制」をキー概念として開発することを目的としている。第1に、家父長制意識の2つの要素である性別役割分業意識と父権尊重意識の尺度としての妥当性を量的データに基づいて検討することで、アジア社会の家父長制をより精確に測定するための尺度を構築する。第2に、中間回答「どちらともいえない」を選択する回答行動の背景が不明瞭であることから、中間回答に対する人々の解釈を明らかにし、適切な分析方法を提案する。
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研究成果の概要 |
研究成果の1点目は家父長制の重要な要素である性役割意識の多元性を明らかにしたことである。本研究では性役割意識はa)男性の家庭役割への肯定 b)分業的な性役割への否定 c) 母親の労働役割への肯定の3次元があることが明らかとなった。さらにそれらの性役割意識は夫の家事参加とも関連しており、性によって関連が異なることも明らかとなった。2点目は日本人の中間回答の背景について自由記述を元に分類した。その結果、中間回答の多くが中間的立場を示しているとは言えないこと、負担の回避は起きているが大多数を占めるとはいえないこと、社会的望ましさバイアスが強く表れているとはいえないことなどが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
性役割意識について、これまでの大規模社会調査は分業主義的な立場からの測定がほとんどであり、平等主義的な立場からの測定は限定的であった。本研究ではこの性役割意識を平等主義的な立場を含めて3次元でとらえることにより、性役割の現代的な側面について評価できるようになった。また、ジェンダー不平等の代表的な事例である夫婦内の家事分担についてはこれまで性役割意識との関連が報告されていたが、性役割意識のどの要素がジェンダー平等に資するか解釈できるようになった。また、日本人の中間回答のメカニズムを分析したことで、日本人の中間回答傾向の背景の一部が理解できるようになった。
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