研究課題/領域番号 |
20K20098
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80030:ジェンダー関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
山本 由美子 岡山大学, グローバル人材育成院, 准教授 (10830185)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | ジェンダー / ケアエコノミー / フェミニスト経済学 / ケア労働 / ジェンダー平等 / 経済政策 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では介護・看護・子育てなどの領域における経済活動 (ケアエコノミー) を明示的に扱うことができるマクロ経済モデルを日本のデータをもとに構築する。このモデルを用いて、(I)有償および無償労働を含むケアエコノミーの実態をジェンダーの視点で分析し、(II) 動学分析を用いてケアエコノミーへの財政支出あるいは民間投資が経済発展や雇用創出にもたらす影響をシミュレーションし政策を評価する。無償ケア労働の経済および社会への貢献を認識するだけでなく, 訪問介護など多様化するケア労働の実態も把握した上で、包括的にケアエコノミーを分析することは社会インフラを効率的に利用する手段の解明に貢献する。
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研究成果の概要 |
本研究では、匿名データ等を用いてケアとジェンダーに考慮した社会会計マトリックス(Social Accounting Matrix,SAM)を構築し、有償ケア労働者の実状について、放課後児童クラブ支援員の労働環境について調査した。無償・有償ケア労働ともに、女性は男性より長い時間を費やしているにも関わらず、女性の平均賃金が男性より低いため、所得ベースに換算すると女性労働がもたらす経済効果は過小評価となる。大卒女性の非正規雇用などにより人的資本への投資が経済に還元されておらず、ケアワーカーや女性の正規雇用や処遇改善はジェンダー平等だけでなく、高齢化社会の日本経済成長にプラスであることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでも『社会生活基本調査』で得られた無償家事・ケア労働時間の貨幣評価など、内閣府経済社会総合研究所によるマクロ推計はあるが、産業連関表などのデータも用いることで経済統計を結びつけ、また、無償労働と有償労働の関係を労働時間と推計所得で見たり、労働時間と所得の関係などを産業別、性別、学歴別、世帯構造別等で分析した。日本のデータを用いてケアとジェンダーに考慮したマクロ経済モデルは構築されたことがなく、フェミニス経済学の、特にマクロ経済学分野やモデリングの発展に向けた第一歩となる。
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