研究課題/領域番号 |
20K20103
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鈴木 明大 北海道大学, 電子科学研究所, 准教授 (20781850)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | タイコグラフィ / 回転体ミラー / 軟X線 / 磁気イメージング / マルチスライス法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、大開口回転体ミラーをコンデンサレンズとして用いた軟X線イメージング装置を開発するとともに、回転体ミラーの光学的特徴を生かした3次元構造観察を目指す。入射プローブのビームサイズや対物レンズがもつ収差によって空間分解能を制限されないタイコグラフィを採用することで、従来法よりも高解像度での試料観察が期待できる。将来的には、軟X線がカバーする鉄、コバルトなどの吸収端を利用した分光測定と組み合わせることで、ナノスケール磁気状態計測へとつなげたい。
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研究成果の概要 |
計算機シミュレーションによって、タイコグラフィ測定系における、照明光学系に利用する回転体ミラーの開口数と観察像の空間分解能の相関を調べた。その結果、同じ入射光子数であっても、NAが大きくなるほど空間分解能が改善する可能性が示された。さらに、SPring-8において、大開口数回転体ミラーを照明光学系に用いて、磁性薄膜のタイコグラフィ測定を実施した。測定したおよそ2000枚の回折パターンに位相回復計算を適用することで、透過X線画像では見えなかったナノ磁区構造を可視化できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
磁気材料を高空間分解能で観察できる本計測手法は、通信機器の省消費電力化、高速化などへの貢献が期待されるスピントロニクスデバイス開発につながる。また、本手法は磁気材料のみがターゲットではなく、同じシステムで、環境化学や宇宙科学と関連した酸化物・窒化物ナノ粒子の元素識別観察も可能である。X線と回転体ミラーの特長を活かして、現状の顕微鏡技術よりも優れた空間分解能で試料内部の磁気・化学状態を非破壊観察できるようになれば、様々な分野で新しい知見をもたらす。
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