研究課題/領域番号 |
20K20104
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
中内 大介 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 特任准教授 (00870049)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | シンチレータ / 蛍光体 / ラジオルミネセンス / フォトルミネセンス / 結晶成長 / γ線計測 / シンチレーション検出器 / 単結晶 / 放射線計測 / 線量計 |
研究開始時の研究の概要 |
シンチレーション検出器は、入射放射線を光子に変換するシンチレータと放出された光子を電子に変換する光検出器で構成される。これまで製品化されたシンチレータは一般的な光電子増倍管の感度波長に適合する近紫外・青色領域で発光するものが多いが、本研究では原子炉などの高線量場計測やバイオイメージング用途で有用な赤色・近赤外領域で発光する材料に着目する。これまでほとんど検討がなされていない赤色・近赤外領域の発光遷移を有する希土類イオンを発光中心として、十分なシンチレーション発光量とフォトンカウンティング計測可能な蛍光寿命を示すハロゲン化物シンチレータの開発を目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では原子炉モニタリングなどの高線量場における計測を目指して初めて発光中心としてSm2+に着目し、これまで報告されていなかった新規シンチレータ材料の開拓に挑戦した。Sm2+の5d-4f遷移由来の赤色発光はシンチレーション検出器としてγ線計測に十分な応答速度を示しており、従来品としてX線やγ線計測応用に最も用いられてきたTl:NaIのシンチレーション発光量40000 photons/MeVに匹敵する優れた値を赤色発光領域にて実現することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回比較的長波長領域にて発光遷移を有する発光中心イオンを導入することで放射線照射下において赤色・近赤外光を呈する単結晶材料の作製に成功した。赤色・近赤外発光シンチレータは高線量率場のモニタリング応用に期待されており、原子炉など線量率の高い環境で計測を行う場合、光ファイバーが放射線損傷を起こすため正確な線量計測が困難になる。このような放射線損傷では紫外可視領域の透過率が著しく低下するため、赤色・近赤外発光シンチレータを用いることで長期に耐えうる計測が可能になることが期待される。また、赤色・近赤外領域にて高効率で発光する材料を発見したことで物質科学的にも新たな知見になると思われる。
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