研究課題/領域番号 |
20K20109
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 京都大学 (2022) 国立研究開発法人理化学研究所 (2020) |
研究代表者 |
金城 良太 京都大学, エネルギー理工学研究所, 特定准教授 (50790862)
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研究期間 (年度) |
2021-11-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 高温超伝導 / 超伝導シミュレーション / 低温 / アンジュレータ / 放射光 / 自由電子レーザー |
研究開始時の研究の概要 |
研究の目的は、バルク(かたまり)の高温超伝導体(Bulk HTS)及びそれをリング形状に加工したRing HTSを用いた超強力・均一・長期間安定な正弦関数的磁場生成とその制御の実証である。このためにBulk及びRing HTSの結晶成長過程などに起因する低温・強磁場下での特性の個体差を補償し均一な磁場生成を行う手法の開発、外部からの放射線や熱入力などの擾乱への対策の検討、数百個のBulk及びRing HTSの大規模シミュレーション技術の確立を行う。永久磁石を超える強磁場を生成可能であるがコイルと異なり外部からの制御が難しいバルクの高温超伝導体による磁場制御技術は様々な分野への応用が期待できる。
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研究実績の概要 |
バルクの高温超伝導体(Bulk HTS)及びそれをリング形状に加工したRing HTSを用いた超強力・均一・長期間安定な正弦関数的磁場生成とその制御の実証のため、実験及びシミュレーションの両面から研究を進めている。2022年度は、有限要素法ソフトウェアを用いた計算研究が大きく進展した。具体的には、有限要素法ソフトウェアに超伝導の電圧-電流(E-J)特性を入れ、時間依存の電流誘起シミュレーションにより外部磁場を変化させた時にRing HTSの内部に誘起される超伝導臨界電流を三次元で計算した。結果として、z軸上に周期的に並べたRing HTSにz方向の外部磁場の変化を与え、z軸を斜めにまたぐようにループ電流が生じ、z軸に垂直なy軸方向の周期的磁場が発生すること、Bulk HTSにRing HTSを組み合わせることによって周期的磁場の振幅が2倍近くまで増強されることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
バルクの高温超伝導体(Bulk HTS)及びそれをリング形状に加工したRing HTSを用いた超強力・均一・長期間安定な正弦関数的磁場生成とその制御の実証のために必要な、Ring HTSの電流誘起シミュレーションが可能となり、Bulk HTSにRing HTSを加えた場合に周期的磁場の振幅が2倍になることをシミュレーションで示すことができた。
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今後の研究の推進方策 |
Ring HTSを製作し低温・強磁場下での磁場測定を行う。実験での結果をもとにBulk and Ring HTSアンジュレータの精密な数値計算モデルをたて、形状最適化や、放射光や電子ビームからの入熱負荷条件での運転条件の最適化に用いることのできる計算モデルと、数百個のBulk and Ring HTSの大規模シミュレーション手法を開発し、実機の性能評価を行う。
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