研究課題
若手研究
本研究は,味覚・嗅覚に美学上の立ち位置を与えることを目的とする.味覚や嗅覚は伝統的に美的質を持たないとされてきた.しかし味覚・嗅覚独自の鑑賞方法論を提起することで,味嗅覚の美的体験を記述し分析する「味覚の分析美学」は可能になるではないだろうか.本研究では,①鑑賞能力に関する文献調査,②料理の美的鑑賞方法の開発,③嗜好品飲料の非言語表象生成手法開発という3つの研究課題を通して,味覚・嗅覚の美的体験の記述方法および味覚鑑賞文の分析方法を解明する.本研究は,美学領域に認知科学の知見を応用的に展開することによって,味覚の美学という新領域をもたらすものである.