研究課題/領域番号 |
20K20136
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90020:図書館情報学および人文社会情報学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
竹村 朋子 立命館大学, 映像学部, 准教授 (70756147)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | デジタル・ディバイド / 質問票調査 / 高齢者 / ICT / 社会的認知理論 / QOL |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、65歳以上の高齢者に対してインタビュー調査および質問票調査を行うことで、高齢者がICTをどのように活用しているか、高齢者の間でICT利用に関する差異であるデジタル・ディバイドがどのように存在しているか、また、そのディバイドには個人的要因や環境的要因がどのように関連しているかという3つの点について明らかにする。 社会的認知理論では、人は、個人的要因および環境的要因によって相互に影響を受け、行動を決定する。そのため、本研究を通して、ICT利用行動に影響を与える要因を解明することで、デジタル・ディバイドの要因を明らかにし、デジタル・ディバイド解消の具体的介入方法を提案する。
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研究実績の概要 |
ICT(情報通信技術)の発展によって、高齢層と若年層の間で生まれたデジタル・ディバイド(デジタル格差)は、健康、社会的および経済的な格差の原因ともなり得ることから、重要な社会問題のひとつである。これまでのメディア利用行動研究では、ICTへのアクセスに関するディバイドが研究対象とされることが多く、アクセスのディバイドによって生まれるICTに関するスキルおよび能力のディバイド、さらにはICT利用による生活への影響のディバイドについては、ほとんど検証されていない。本研究では、デジタル・ディバイド解消対策を検討するために、以下の3つを研究課題の核心をなす学術的「問い」とした。 ① 高齢者は、ICTをどのように活用しているか ② 高齢者のデジタル・ディバイド、個人的要因、環境的要因はどのように関連しているか ③ 高齢者の3つのレベルのデジタル・ディバイドは、どのように関連しているか 今年度は、上記の3つの学術的「問い」について検証するために、質問票調査の準備を行なった。研究計画において計画していた研究1(高齢者のICT活用)、研究2(デジタル・ディバイド、個人的要因、環境的要因の関連性)および研究3(ICTへのアクセスのディバイド、ICTに関する能力およびスキルのディバイド、ICT利用による生活への影響のディバイドの3つのレベルにおけるデジタル・ディバイドの関連)についての質問票調査を行うにあたり、文献研究および調査票の作成を行なった。調査票については、プレ調査を実施した。加えて、デジタルメディアに関する最新の知見を得るために、Association for Education in Journalism and Mass Communication (AEJMC)のカンファレンスに参加した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響で、インタビュー調査の実施が遅れたことにより、全体の進捗自体が遅れた。また、現在所属している学部の役職に就いたことから、研究に避けるエフォートが減少したことも遅れの一因である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、最終年であることから、プレ調査を実施している質問票調査を実施する。調査会社に調査票の配布を依頼し、集めたデータを用いて分析を行う。その結果を論文として公表する。本研究では、「社会的認知理論」からデジタル・ディバイドについて検証することを目的としているが、文献研究を行ったことで、他の理論を用いた方が適切に解釈できる可能性が浮上した。研究テーマに変更はないが、理論的背景として異なる理論を用いる可能性もある。とはいえ、テーマに変更はないため、より適切な解釈が可能となることが想定される。
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