研究課題/領域番号 |
20K20144
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90030:認知科学関連
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
今泉 修 お茶の水女子大学, 人間発達教育科学研究所, 准教授 (60779453)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 主体感 / 自己意識 / 再認記憶 / 身体運動 / 運動準備 / 時間知覚 / Intentional binding / 実験系心理学 / 行為 / 運動実行 / 記憶 / 再認 / インテンショナルバインディング / 心的時間 / 自伝的記憶 / 時間的展望 |
研究開始時の研究の概要 |
行為と結果(例:ボタン押下とブザー)の時間間隔は実際より短く感じられる。その効果は「私が行為主体だ」という主体感が伴うほど強まる。本研究は,この時間短縮効果が,自伝的記憶や時間的展望(過去-未来に対する見解)に波及するかどうかを明らかにする。自伝的記憶の中の行為の主観的時間位置がその行為の主体感に応じて変わるかどうか,そして自伝的記憶における変化が時間的展望にどのように影響するかを検討する。
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研究成果の概要 |
主体感・時間知覚・記憶の関連を実験心理学的に検討した。運動行為と感覚結果(例:キー押下と音)の時間間隔が実際より短く感じられるIntentional binding (IB) が知られていた。本研究では,まず確率的因果推論によってIBが主体感を規定する因果関係を示唆した。次に行った実験の結果,主体感の強度と刺激の再認成績との関連は認められなかった。この成果を受けて,運動行為と記憶の関係を精査したところ,運動行為の準備と実行の別よりも,運動行為と刺激の順序関係が再認記憶を説明しやすいことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は,時間知覚や自伝的記憶といった認知機能の理解,ならびに身体運動に生じる自己感と概念的な自己観およびこれら2つの自己の関連の理解に貢献する。また,主体感の異常と関わる統合失調症や強迫性障害などの精神疾患を理解し,介入法開発の基礎的知見を提供するという意義もある。
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