研究課題/領域番号 |
20K20157
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90030:認知科学関連
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研究機関 | 京都大学 (2021-2023) 国立研究開発法人情報通信研究機構 (2020) |
研究代表者 |
上田 竜平 京都大学, 人と社会の未来研究院, 助教 (40869434)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 対人関係 / 脳イメージング / 社会的認知 / 実験心理学 / 認知科学 / 社会神経科学 / fMRI / 恋愛関係 / 恋愛 / 意思決定 |
研究開始時の研究の概要 |
異性との長期的・排他的関係を動機づける恋心は、種の存続に貢献しうるものである。一方で恋心を適切に制御することができない場合には、心身にネガティブな影響をもたらす失恋や、ストーカー行為等の対人トラブルを招くこともある。 本研究では、そのような「恋心」の適切な制御を支える認知・神経機構の包括的理解を目的とする。異性に対するアプローチ場面を再現した心理実験で得られた行動・脳データに対し、数理モデルを適用することで、内的な情報処理過程に関する説明を提案する。研究の初期にはオンライン実験等による行動データの取得を行い、その後、脳機能イメージング手法を用いた脳活動データの取得を行うことを計画している。
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研究実績の概要 |
本研究計画の目的は、特定の異性との長期的な関係の構築を動機づける「恋心」の体験について、脳と行動の両面から明らかにするということであった。最終年度に当たる本年度では、これまでに得られた知見を発展させる目的で、新たに「友人」との比較を行う実験デザインを設計し、機能的磁気共鳴画像法 (functional magnetic resonance imaging, fMRI)を用いたデータ取得を行った。結果から、友人と比較した場合に、恋愛パートナーに対して特異的な神経基盤が特定された。この研究成果を、第26回日本ヒト脳機能マッピング学会において報告した。今後は応用的なデータ解析を行い、成果を国際学術誌において報告することを計画している。 研究計画全体を通し、本研究では工夫された心理実験デザインと先進的な脳イメージングデータの解析手法を用いることにより、これまでの研究では十分な検討が行われていなかった、恋心の体験に特異的に観察される脳の情報表現についてのエビデンスを提示することができた (Ueda & Abe, 2021)。また、得られた知見を踏まえた上での当該研究の今後の展望について、総説論文を刊行した (上田, 2020; Ueda, 2022)。現在、さらに1件の総説論文を執筆している。本研究計画では「恋心」の脳と心のメカニズムを明らかにするという野心的な目標を設定したが、その成果は着実に蓄積されており、今後、さらなる検討に繋がることが期待できる。
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