研究課題/領域番号 |
20K20163
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
篠原 満利恵 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (00789133)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 膵臓 / 線維化 / 膵がん / 膵星細胞 / 膵臓がん / エネルギー代謝 / 膵線維化 / 組織構築 |
研究開始時の研究の概要 |
膵臓の線維化は,慢性膵炎または膵臓がん(膵管腺がん)で見られ,進行すると糖尿病や膵硬変を引き起こす.線維化が起こる過程で中心的な役割を担っているのは,膵腺房組織や膵管の周りを取り囲んでいる膵星細胞である.しかしながら,膵星細胞の活性化と線維化のメカニズムは未だ不明な点も多く,特に正常組織から線維化状態になる過程の低酸素応答に関する検討はほとんど行われていない.本研究では,膵腺房組織の線維化過程を再現するモデル組織構築とそのエネルギー代謝に関する検討を通じて,なぜ線維化が起こり,正常組織とは異なる生理的特徴と獲得するのか,そしてその根幹となる要因は何かを明らかにしたい.
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研究成果の概要 |
本研究では,膵臓の線維化の中心的な役割を担う,膵星細胞と膵腺房細胞,膵臓がんの共培養組織を異なる培養酸素濃度雰囲気下で培養し,星細胞の挙動と機能を評価した。低酸素培養により,膵星細胞の増殖を確認した。また,平面培養系において,間葉系がん細胞では,星細胞が底面に伸展し,がん細胞が増殖する一方で,上皮系がん細胞では,がん細胞の増殖に伴い,星細胞の減少が確認された。すなわち,異なる細胞種の組み合わせにより多様な線維化モデルの形成と挙動解析が可能となることが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膵線維化培養モデルの構築は,糖尿病や膵硬変,膵臓がんなど様々な膵臓疾患に対する基礎研究のツールとして期待される。既往の研究では,膵星細胞のみに関して培養酸素濃度の影響を評価するものが多かった。本研究の検討により,重層化共培養組織,三次元凝集体での検討が可能であることが示された。また,細胞の組み合わせにより異なる膵星細胞の挙動が見られたことにより,多様な線維化モデル構築が可能となることが期待される。
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