研究課題/領域番号 |
20K20174
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
寺澤 武 旭川医科大学, 医学部, 講師 (20815401)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 生体内組織形成術 / 心臓弁グラフト / 再生医療 / 流体-構造連成解析 / 心臓弁形状三次元モデリング / 頚動脈血行動態評価 / 生体材料 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、「生体内組織形成術」で形成された心臓弁様組織体を用いた大動脈弁形成術に おける移植体の最適形状を、数値流体力学的手法により明らかにすることを目的とする。 本研究の具体的目標は次の通りである。1) 流体構造計算を実現するための生体内形成組織の材料特性モデル化。2) 大動脈弁形成術で用いられるOzaki Templateに依る弁形状のコンピュータ上での構築。3) 生体内形成組織の大動脈弁部位移植後の血行動態の再現。4) 移植強度と弁機能を兼ね備える移植体弁尖形状の最適化。5) 移植後の組織再生過程の形状および材料特性の時変モデルの作成。
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研究実績の概要 |
当該年度では、以下の成果を得た。 1) 流体構造計算を実現するための生体内形成組織の材料特性モデル化:昨年度実施した引張試験に加え、当該年度では圧縮試験方法の検討および試験を進めた。得られた応力-ひずみ曲線から構造計算を行うための至適なエネルギー密度関数について検討した。 2) 弁形状のコンピュータ上での構築および組織形成用鋳型の開発:形状最適化を行うベースとなる鋳型の設計を進めた。生体内で移植用心臓弁を閉鎖状態で形成する鋳型を試作、組織形成実験として動物の皮下で3か月間鋳型を埋入した。肉眼的には心臓弁様組織体を形成されたが、弁尖部位の膜厚計測では、鋳型設計で意図した膜厚が得られず、模擬循環回路によるin vitro試験を通して強度上の課題を認めた。本知見を設計思想にフィードバックし、血行動態と強度を兼ね備える鋳型形状を考案した。 3)・4) 移植強度と弁機能を兼ね備える移植体弁尖形状の最適化:心臓弁グラフトの構造解析を進めた。in vitro試験ではOpen弁では逆流特性も課題となるが、その改良を行う上で構造計算により弁の運動をコンピュータ上での再現を進めた。現行のOpen弁の弁部に血圧に相当する圧力を加え、弁の運動を観察したところ、弁閉鎖時に特に交連部付近にて3葉の弁が十分に接合しない領域があり逆流特性が悪い一因であると想定された。この接合領域を増やすため交連部付近の弁形状の改良を進め、現在シミュレーション評価を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
心臓弁グラフトの血行動態に有効と考えられる閉鎖姿勢を実現する鋳型の設計手法確立を進捗したが試作の反復を通して困難であり方針転換に至った。
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今後の研究の推進方策 |
今後、弁グラフト形成可能な鋳型にて形状最適化を図る。弁の膜厚、弁長、姿勢角などの形状パラメータの最適化を計算力学的手法およびモックアップを用いた試験にて推進する。さらに大動物での弁置換実験を通して総合的な評価を行う。
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