研究課題/領域番号 |
20K20179
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
伊藤 栄紘 東京工業大学, 生命理工学院, 助教 (70707918)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 脂肪細胞 / 活性酸素種 / 酸素濃度イメージング / ポルフィリン / メソポーラスシリカナノ粒子 |
研究開始時の研究の概要 |
肥満と酸化ストレスは密接に関係するため、脂肪細胞の酸素代謝や活性酸素種(ROS)への影響を調べる研究が盛んに行われている。これまでに脂肪細胞への分化・脂肪分解には少量のROSが必須であることが報告されているが、先行実験で脂肪細胞内に一重項酸素を発生させた場合に脂肪分解の阻害が観察された。これらの結果から、ROSは生体内で適切な濃度があることが考えられるが、その詳細な機構は未だ不明である。本研究では、脂肪細胞の酸素動態観察とROS刺激の影響を評価し、脂肪分解における酸素とROSの動態を明らかにする。本研究成果から、酸素とROSの脂肪分解制御に関して新たな知見が得られることが期待される。
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研究成果の概要 |
本申請研究では、脂肪分解における細胞内酸素濃度変化、活性酸素種(ROS)と抗酸化剤の影響から、脂肪細胞の酸素とROS動態の解明を目指した。水溶性白金ポルフィリンを用いた脂肪細胞の酸素濃度イメージングでは、副産物で発生する一重項酸素により脂肪分解が阻害された。新たに合成した白金ポルフィリン修飾メソポーラスシリカナノ粒子を用いた細胞内酸素濃度イメージングでは脂肪分解の阻害は観察されず、一重項酸素の影響がないことが明らかになった。ROSによる脂肪分解阻害からの機能回復に向けて、様々な抗酸化剤を細胞へ添加して酸素濃度イメージングを行った際の細胞障害の軽減を調べた結果、グルタチオンの有用性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本申請研究で合成した白金ポルフィリン修飾メソポーラスシリカナノ粒子(PtP@MSN)による酸素濃度イメージングでは、一重項酸素による細胞への影響が見られなかった。PtP@MSNへの追加修飾により、生体成分との相互作用の低減や細胞取込み量の向上も達成され、細胞内酸素濃度イメージングに優れた酸素プローブを開発できた。また、グルタチオン、α-トコフェロール、アスコルビン酸ナトリウムが抗酸化剤として一重項酸素による細胞障害の低減に効果があることが示された。今後、酸化ストレスを受けた細胞の状態などを調べる際に本研究成果で得られた知見が利用できると考えられる。
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