研究課題/領域番号 |
20K20180
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
牧 功一郎 京都大学, 医生物学研究所, 助教 (90849233)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | バイオメカニクス / DNA / 力学的構造変化 / 生体医工学 / 遺伝子転写 / クロマチン / 1本鎖DNA / DNA損傷-修復 / 細胞老化 / トルク / 転写 / 分子構造変化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,クロマチンに存在するナノ転写装置の構造変化およびDNAのナノスケールの曲率の変化に着目し,それらの細胞・in vitro 再構成により,以下の仮説を検証する.(1)力のもとでナノ転写装置が構造変化する.(2)力のもとでDNAの曲率が変化する。本研究が達成された暁には,機械的な力を利用して細胞の運命決定を行う「メカノジェネティクス」分野の創設,および,機械的な力が老化・がん化に及ぼす影響の解明など,高齢化社会を支えるバイオメカニクス・再生医工学の研究において大きな波及効果が期待される.
|
研究成果の概要 |
生体組織は、力の負荷に対してその構造を機能的に変化させる。細胞は、メカノセンサ分子を介して機械的な力を感知することが知られているが、力のもとで遺伝子発現が調節される仕組みについては不明な点が多い。本研究では、細胞核内のクロマチンに着目し、力のもとでのクロマチンの構造変化が遺伝子発現に及ぼす効果を理解することを目的とした。クロマチンの構造を理解するにあたり、DNA二本鎖から一本鎖DNAへの解離が鍵を握ると考え、細胞内の一本鎖DNAをin situ で観察する実験系の構築を目指し、妥当性の検討が完了した。今後は、力の作用下において、二本鎖DNAから一本鎖DNAの解離が生じるかを検証する予定である。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、in situ での一本鎖DNAの観察に世界で初めて成功した。これまで、DNAへの結合性を有した低分子の開発が行われてきたが、細胞内での妥当性の検討がボトルネックとなってきた。本研究では、細胞の semi-intact 化により、核酸への種々の酵素処理を可能とし、開発したイメージング手法における一本鎖DNAの検出の特異性を確認できた。一本鎖DNAと反応するタンパク質群に関して、今後幅広い探索が可能になることから、力のもとで生じるDNAの構造変化を起点としたタンパク質構造体の形成・分解など、細胞の力感知機構を原点的に理解する足掛かりができた。
|