研究課題/領域番号 |
20K20204
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
|
研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
山田 雄二 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (00838401)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | ペプチド / 細胞接着 / インテグリン / ヘパラン硫酸プロテオグリカン / 高分子多糖 / アガロース / iPS細胞 / 細胞移植 / ラミニン / ゲル / 三次元培養 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞を生体内に近い環境で培養できる3次元培養技術は、再生医療や創薬等の幅広い医薬分野で必要とされている。再生医療に応用可能な3次元培養基材として、細胞接着性、生体適合性、安全性、簡便性、コストパフォーマンス等に優れた材料の開発が求められているが、十分に達成されていない。本研究では、3次元培養基材として有望な多糖であるアガロース、ヒアルロン酸、アルギン酸に細胞接着ペプチドを化学修飾して細胞接着性を付与し、3次元培養とそれに続く細胞移植を同一ゲルで行うことのできる生体材料の開発を目指す。本研究は足場依存性の高い細胞の3次元培養と細胞移植を簡便にし、幅広い医薬分野への貢献が期待される。
|
研究成果の概要 |
3次元培養基材として細胞接着ペプチド-アガロースゲルの開発を行った。断片化したペプチド-アガロースゲルを用いた独自の3次元培養方法を用い、細胞増殖を促進することに成功した。iPS細胞の接着・培養が可能な細胞接着ペプチドとしてインテグリンαvβ5に高い結合性を示すRGDVF配列を同定し、その構造活性相関研究からより活性の高いRGDTFI配列を同定した。細胞透過ペプチドとして広く知られているオクタアルギニン(R8)が細胞接着ペプチドとして有用であることを見出し、さらにR8の半分をチロシンに置換したペプチド(YR8)はより細胞増殖に適していることを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アガロースを用いた3次元培養研究では、細胞接着ペプチドを結合することでアガロースゲルが細胞の足場材料として有用性を示すこと、断片化したゲルの中で細胞の3次元培養が可能であることを示した。RGDTFIやYR8などの新たな活性ペプチドを同定したことによって、3次元培養基材やバイオマテリアル開発に応用可能な細胞接着ペプチドの選択肢が広がった。特にRGDTFIペプチドはiPS細胞の培養に用いることができ、再生医療研究への応用も期待される。また、RGDTFIやYR8などの機能解析はペプチドと細胞接着受容体の相互作用の理解にも役立つものである。
|