研究課題/領域番号 |
20K20205
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
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研究機関 | 京都薬科大学 |
研究代表者 |
森下 将輝 京都薬科大学, 薬学部, 助教 (10811747)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | プロバイオティクス / 細胞外小胞 / アジド―アルキン反応 / 代謝機構 / 糖代謝 / がん免疫療法 / ビフィズス菌 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はビフィズス菌由来細胞外小胞 (EVs) の抗原提示能増強活性を損なわずに新たな機能を付与可能な技術を開発し、得られた機能性EVs をがん免疫療法に用いる。 令和 2 年度はビフィズス菌が有する糖の代謝機構を利用して、ビフィズス菌由来 EVs に高い反応特異性を有する官能基を挿入する。 令和 3 年度は EVs にがん抗原および抗原提示細胞 (APC) 指向性を付与する。 令和 4 年度は EVs のがん免疫治療効果を評価する。
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研究成果の概要 |
本研究ではプロバイオティクス由来細胞外小胞の活性保持と機能付与を両立できる技術の開発を目指した。プロバイオティクスの代謝機構を利用することで、細胞外小胞に反応性官能基であるアジド基を導入することに成功した。このアジド基導入細胞外小胞には、元来有する細胞外小胞としての有益性(免疫細胞活性化能)が維持されており、アジド基への部位特異反応(アジド―アルキン反応)を利用することにより新たな機能性分子を細胞外小胞に搭載することに成功した。特に、本手法により蛍光物質を搭載したプロバイオティクス由来細胞外小胞を用いることで、免疫細胞に添加後の細胞外小胞の挙動(細胞内動態)の可視化を可能とした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
有用微生物であるプロバイオティクスが分泌する細胞外小胞を利用した新たな疾患治療法の開発が期待されている。その実現には細胞外小胞の高機能化を図る必要があるものの、従来の方法では機能改変後に細胞外小胞の生理活性が損なわれる懸念があった。本研究によりプロバイオティクスが持つ栄養素の代謝機構と、部位特異的な反応様式であるアジド―アルキン反応を巧みに利用することにより、プロバイオティクス由来細胞外小胞の活性保持と機能付与を両立可能な技術の開発に成功した。一連の成果は、細胞外小胞への新規の機能改変技術の開発を通して、細胞外小胞を用いた治療法開発の実現に大きく貢献するものである。
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