研究課題/領域番号 |
20K20210
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
TON・THAT LOI 東北大学, 工学研究科, 助教 (90844499)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 磁気ハイパーサーミア / 機能性磁性ナノ粒子 / 金ナノ粒子 / 酸化鉄ナノ粒子 / 磁気温熱治療装置 / 定温加熱制御 / 強磁性共鳴 / ナノセラノスティクス / Fe3O4@Auナノ粒子 / Neel-Brownian緩和 / サイズ制御 / CT造影剤 / ハイブリッド金@酸化鉄ナノ粒子 / PID制御 / 磁性ナノ粒子合成 / 磁性微粒子磁気特性 / 加熱技術 / 測温技術 / 医療応用 / 磁気温熱療法 / マイクロ@ナノ磁性微粒子 / 温度検知 / 位置探索 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、癌磁気温熱療法が次世代の癌治療法として国内外で注目されている。手術・化学・放射線療法に比べ侵襲性や副作用が少なく、化学放射線療法と併用することで治療効果を高められるとする報告もされている。本研究では、高い発熱効率かつ高い感温性を有する多機能型複合体マイクロ@ナノ磁性微粒子の発熱機構および磁気特性を解明し、そのパフォーマンスをさらに高める。そして、研究代表者が技術確立した低侵襲治療システムに高いパフォーマンスのマイクロ@ナノ磁性微粒子を適用し、その治療可能距離をさらに伸ばす。これにより、全ての癌に低侵襲治療システムを応用できるようになるので、社会的意義は大きい。
|
研究成果の概要 |
2020年度では,磁気温熱療法に適した高機能磁性微粒子の開発を目的とし,熱分解法で磁性ナノ粒子を新たに合成し,超常磁性を有する単分散酸化鉄ナノ粒子を得ることに成功した。さらに,簡易型自動定温加熱治療システムを開発することにも成功した。2021年度では,発熱効率を従来比4倍向上したResovistを用いた動物実験にて、高精度な温度制御を確立した。また,「がん診断・治療装置」に向けてハイブリッド金@酸化鉄ナノ粒子を新たに研究開発することにも成功した。2022年度では,強磁性共鳴に基づいたFe3O4@Auナノ粒子の超高速温度上昇率も初めて実験的に評価し、従来の磁気ハイパーサーミアよりも2桁高かった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
癌は世界で主要な死因の一つであり,その治療技術の高度化は急務となっている。本研究により簡易型治療システムや高機能性磁性ナノ粒子の開発を通じて、磁気温熱療法の研究開発の進展が期待される。また,これまでに極小で複数の機能を有する磁性微粒子が望ましいがん治療・診断などの用途に向けてナノ粒子を開発することは困難であった。本研究では,世界で初めて多機能型複合磁性粒子を開発した。この粒子は磁気温熱療法のみならず、がん画像診断等にも活用でき、その波及効果は著しく広い。これまで共鳴磁性を利用したFe3O4@Auナノ粒子による磁気温熱治療技術は確立されておらず、本研究と同様の試みは国内外でも類を見ない。
|