研究課題/領域番号 |
20K20211
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
野上 光博 東北大学, 工学研究科, 助手 (10847304)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 放射線計測 / SPECT / 重元素半導体検出器 / 臭化タリウム(TlBr) / 超高分解能サブミリSPECT |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、SPECTの空間分解能の向上・改善を検出器開発の観点から行なう。現状のSPECTは空間分解能が1 cm程度と低いことが最大の欠点となっており、SPECTはPETほどには普及していない。SPECTの空間分解能を改善するためには高い固有分解能を有する新しい検出器の開発が必須である。そこで本研究の目的をガンマ線に高効率で硬い重元素から構成される半導体(例えばTlBr)を用いた検出器を開発し、SPECTの空間分解能を飛躍的に高め、三大成人病(がん、心疾患、脳血管疾患)の早期発見・治療に寄与することとする。
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研究成果の概要 |
TlBrピクセル型半導体検出器の固有分解能向上のための信号処理技術開発を行った。開発した信号処理技術の評価を1つのアノードピクセル電極とそれを囲むガード電極およびカソード電極を有するTlBrピクセル半導体検出器を用いて行った。ガード電極とアノード電極の信号波高値比を用いることにより、ピクセル電極サイズ以上の相互作用位置の決定を行えることを実証した。また、カソード電極とアノード電極の信号波高値比から検出器内の深さ方向の相互作用位置の決定を行った。カソード近傍かつアノードピクセルの中心領域で相互作用したイベントのみを取り出すことにより、検出器のエネルギー分解能が向上することを実証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
SPECTは臓器の機能検査に用いられる装置であり、比較的半減期の長い放射性薬剤を用いるため、大型施設が不要である。しかしながら、空間分解能が1 cm程度と低いことが最大の欠点となっている。SPECTの空間分解能を向上させるためには、高い固有分解能を有するガンマ線検出器が必須である。本研究では、ガンマ線を高効率に計測可能なTlBrピクセル半導体検出器において、各電極からの信号の波高値比を用いることにより固有分解能が向上することを実証した。本研究の成果は、SPECTの空間分解能の改善につながるものである。
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