研究課題/領域番号 |
20K20212
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 岡山大学 (2021-2023) 茨城大学 (2020) |
研究代表者 |
芝軒 太郎 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 准教授 (70711290)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 筋電義手 / 感覚フィードバック / 確率共振 / 生体信号インタフェース / 状態推定 / 触覚フィードバック / 仮想反力 / 身体運動機能評価 / 運動情報 / 感覚情報 / 身体動揺 / 双腕協調動作 / Virtual reality / 生体情報 / リハビリテーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,違和感の呈示という新しい感覚フィードバックの試みを行なうことにより,真に人の手に近い筋電電動義手を開発する.中でも痛覚の定量化とフィードバックに着目し,痛みを不快感として呈示可能な新たな感覚フィードバックモデルを創出して筋電義手の制御に応用する.開発する筋電義手では,単に5指を駆動するなどの機能を与えるだけでなく,自身が置かれている状況を視覚情報に頼らず正確に把握できることを目指す.さらに,義手で物体に触れた際の感覚をモデル化・義手の制御機構に組み込むことで義手処方訓練をより効果的に行える可能性がある.
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研究実績の概要 |
本年度は,筋電義手における感覚フィードバックシステムに関してまず振動の大きさや周波数を変化させた際の感性評価を行った.結果より,低周波数の強振動刺激を遅延して付与することで被験者にある種の違和感を創出させられることがわかったことから,実際の義手の制御に応用した[Journal of Robotics, Networking and Artificial Life].さらに義手手先に装着した感圧センサから得た圧力情報にしきい値を設け,振動刺激を調整することで鋭利な物体に触れた際の反射的な動作を再現できる可能性を示した[第34回バイオフロンティア講演会].また,義手における感覚フィードバックシステムの構築においてはフィードバックを受け取る人間の前腕部付近の感覚の鋭敏さも重要と考えられるため,その感度を向上できるか検証した.義手の使用者はソケットを介した振動を感じ取ると言われていることから,まず人の指先とソケットを介した振動による物体の判別実験を行い,人の指先に比べソケットを介した振動では判別がほとんどできないことを示した.次に,義手指先に装着したマイクロフォンから得た,義手で物体に触れた際の音声信号を振動子を介してフィードバックするとともに,前腕部付近に300Hzのホワイトノイズを同時に与えることで確率共振によって判別精度が向上することを示した[The 2024 International Conference on Artificial Life and Robotics (ICAROB2024)]. また,筋電位信号を制御信号とした義手の応用として作業状態を推定することで安定した制御を実現可能なシステムや拡張指インタフェースを開発するとともに,その訓練システムおよび状態判別システムを構築した[9th International Conference on Virtual reality (ICVR2023),第33回ライフサポート学会フロンティア講演会,IEEE 12th Global Conference on Consumer Electronics (GCCE2023), Animals].
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
・筋電義手の感覚フィードバックとして人間の知覚感度についても検証,評価できた点 ・筋電義手のトレーニングシステムや生体信号の識別法,状態判別システムを構築できた点
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今後の研究の推進方策 |
筋電義手に限らない生体信号制御型インタフェースへの応用を目指す
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