研究課題/領域番号 |
20K20224
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 神戸常盤大学 (2021-2022) 九州大学 (2020) |
研究代表者 |
倉本 卓 神戸常盤大学, 保健科学部, 講師 (90645582)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | トモシンセシス / 画像診断 / 肺がん / がん検診 / 画質評価 |
研究開始時の研究の概要 |
肺がんは我が国の死亡原因の第1位であり,その診断にはCT検査が重要な役割を担っているが,CT検査は放射線被ばく線量が高く,検査費用も高い問題がある.一方,トモシンセシスは,CT検査と比較して低い放射線被ばく線量で,高い空間分解能を有した画像を取得することができる.しかし,肺がんに対するトモシンセシスの活用は,まだ確立されていない.その原因として,トモシンセシス画像の特性の完全な把握がなされていないことが挙げられる.本研究は,トモシンセシス画像の特性の把握を行い,肺がん病変の定量解析が可能なトモシンセシスシステムの開発を目指す.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,肺がん病変の定量解析が可能なトモシンセシスシステムの開発を目指すことである.その達成のため,トモシンセシス画像を定量的に評価し,その特徴を肺がん病変検出に活かすことが必要である. 本年度は,本研究内で開発した特注のファントムを使用し,トモシンセシス画像の空間分解能について定量的評価を実施することを試みた.前年度からの継続で,現在は,中心部以外の20点以上の点について同様の検討を行っている.解析に必要な画像データは本年度全て取得した.現在は,このデータを解析することが課題であったが,昨年度難渋した画像解析を行うための専用のソフトウェアの作成に成功した.これで,解析に必要なデータが取得できる準備が整った.解析対象の画像の枚数と,データ解析対象が想定よりも非常に多く,手動で解析を行うことが難渋することが予想されるため,この作業について効率化するための手法を現在模索しているところである.これらの踏襲し,空間分解能について全ての画像データの解析を完了を目指している. 一方,画像のひずみについての検討について,確実にデータ取得を行った.そのデータの一部を2023年4月に開催された『第79回日本放射線技術学会総会学術大会』において,『トモシンセシスにおける回転中心の設定が有効視野内の被写体像の幾何学的歪みに及ぼす影響』で研究発表を行った.当初計画内で予定していた,画像のひずみに関する必要な画像データは本年度全て取得した.今後,これらを検討を進展させ,研究成果として公表する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
この研究は当初計画より遅れている.主な原因は,当初計画時に想定したタイムラインと現状に解離が生じたことが挙げられる.職場環境が変わったため,当初計画時とに想定できなかった多くの業務が負担となった.また,自身の時間管理がうまくいっていないことも研究が遅れた原因と考えている.時間管理がうまくいっていない場合,研究を時間どおりに完了するのが困難になる.研究に費やす時間と,他のタスクに費やす時間を計画することで対処することを目指す.加えて,本研究で使用するデータ量と解析対象について,見積りが甘く,想定よりも作業量が多かったことも理由に挙げられる.最後に,研究協力者と共同で画像解析用のプログラムの作成を行ったのだが,先方の都合等も考慮した予定を立てる必要があり,実現可能な日程を調整するのに苦労した.
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今後の研究の推進方策 |
上記の問題に対処するために,本研究計画を再調整した.また,データ解析等を協力してくれる追加のメンバーをアサインしている.また,研究と業務のワークライフバランスを考慮して取り組めるようにンタルヘルスのケアにも力を入れている.精神状態を安定させ研究に集中できる時間を確保することを目指している.これらの調整により,予定した研究期間内で可能な限りの成果を上げるため尽力できると考える.
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