研究課題/領域番号 |
20K20226
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
二階堂 雄文 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (20583347)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 胸部動態X線撮影 / 横隔膜動態 / 間質性肺炎 / 特発性肺線維症 / デジタルX線動画撮影(DDR) / 肺野面積 / 胸部X線動態撮影 / 特発性間質性肺炎 / 慢性閉塞性肺疾患 / 換気能評価 / 気流速度評価 / 肺局所換気血流 |
研究開始時の研究の概要 |
特発性間質性肺炎では運動耐容能が低下しており、それによる身体活動の低下は、患者予後に直結する。特発性間質性肺炎患者の運動耐容能は時として、呼吸機能とは乖離しており、循環動態も大きく影響を与える。しかし、肺換気と血行動態を同時にかつ簡便に評価する方法は確立されていない。本研究の目的は、動態胸部X線撮影によって得られた肺局所換気血流不均等の指標が特発性間質性肺炎患者における運動耐容能、身体活動性、症状の程度とどのように関連しているのか、さらに、転帰(増悪、死亡、疾患進展)とどのように関連しているのかを、縦断的に解析し間質性肺炎患者における本評価の臨床的意義を解明することである。
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研究実績の概要 |
1. 動態X線撮影画像より得られる横隔膜動態が、間質性肺炎患者において臨床的な生理運動検査指標や重症度と関連し、病状を評価する際に有用であるかの検討を継続して行っている。動態X線撮影を施行した間質性肺炎患者10例(全20データ)を解析対象とした臥位における安静時横隔膜運動の呼吸変位量は%FVC、6分間歩行試験での最低SpO2値と負の相関、疾患重症度であるGAPスコアと正の相関を示す結果であった(昨年までの成果)。 引き続き、間質性肺疾患の登録症例数を増やし、既に登録した通院中の症例について毎年の動態X線撮影を行い、経時的な横隔膜動態を評価し疾患進行との関連を解析している。 最終的に、安静臥位における横隔膜動態について健常人と間質性肺炎患者の比較、間質性肺炎病状の進行症例と安定症例につき比較し、横隔膜動態が患者の病状評価に有用であるかどうか評価する予定である。 2. 特発性間質性肺炎中で予後不良として認識される特発性肺線維症(IPF)患者に注目し、横隔膜動態を疾患進行との関連で評価した。対照的な疾患進行をたどったIPF症例(進行症例と安定症例各1例ずつ)において、臥位安静呼吸における横隔膜動態評価を経年的に行った。進行症例は診断後経時的に病勢の進行がみられ、約2年後、急性増悪により死亡した。動態X線撮影による横隔膜動態評価では、経時的に横隔膜運動速度の増加、それに伴う呼吸周期の短縮を認め、さらに呼吸周期での肺野面積変化率の減少が認められた。それに比較し安定症例は診断後2年の経過で疾患進行を認めず、上記横隔膜動態指標において経時的な変化はみられなかった。この結果から臥位での安静時呼吸における横隔膜の動態が、疾患進行の評価に有用である可能性があるとして、症例報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
間質性肺炎症例登録を継続していることと、解析において比較する健常人の登録を進めているが、その対象患者の症例登録が目標に届かず遅れているため。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に大きな変更はないものの、引き続き症例登録を進めながら、登録症例の経年的評価を継続していく。
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