研究課題/領域番号 |
20K20235
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
赤司 純 産業医科大学, 医学部, 非常勤医師 (80865981)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 機能性僧帽弁逆流 / 僧帽弁組織延長 / 左室収縮不全 / 3次元心エコー法 / 心不全 / 3次元心エコー法 / 心不全軽減効果 |
研究開始時の研究の概要 |
左室収縮不全による心不全の主因は心筋収縮能低下である。これに機能性僧帽弁逆流(FMR)が加わると心不全は悪化する。FMRの主因は「左室拡大により乳頭筋が外方変位し、これが強く僧帽弁尖(MV)を牽引し可動性が低下する(テザリング)」である。これは「乳頭筋の外方変位により乳頭筋先端・弁輪間で弁尖・腱索組織長の相対的不足により弁尖可動性が低下する」と言える。そうすると「弁尖・腱索組織延長により弁尖可動性は低下せずMVテザリングも軽くFMRも出現しにくい」と予想される。本研究では「仮説:同程度の左室収縮不全心において僧帽弁尖の長い症例では弁尖テザリング・FMRおよび心不全がより軽度である」を検証する。
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研究実績の概要 |
本研究の要旨は以下の4点である。①左室壁運動が全体的に高度低下している症例において真の左室収縮能(Ees)を非侵襲的に求める。このようにして「高度かつ同程度の左室収縮不全の60症例をエントリーする。②経胸壁3次元心エコー法により僧帽弁尖組織の面積・弁輪周囲長および弁尖の縦方向の組織長を独自のソフトを用いて計測する。③症状および心エコー図検査により弁尖テザリング・健常者30名および全体的かつ高度に左室収縮能低下の60例を対象とする。左室収縮能低下例を心不全がより 重症の30例およびより軽症30例に群分けし、心不全重症度を決定する。④上記より「僧帽弁尖組織延長が弁尖テザリング・機能性僧帽弁逆流(FMR)および心不全を軽減するか?」検討する。本研究の対象は健常者30名および全体的かつ高度に左室収縮能低下の60例を収集する。 ①-④は達成し、現在継続してそれぞれの標準的な左室機能・僧帽弁機能・心機能の評価、左室Eesの算出、3次元心エコー法による僧帽弁尖組織サイズ(組織延長)の定量および統計解析を進めている。本研究で得られた各心エコー測定値等を先行研究で既に報告されている結果と矛盾がないか等を確認し、更なる学術的意義の向上を目的とした心不全イベントのリスク等の予後評価を行っている段階である。症例収集の過程で左房と左室の形態の関係に着目し、Potential Effects of Mild Atrial Secondary Mitral Regurgitation in Patients With Isolated Atrial Fibrillation 【Circ Cardiovasc Imaging . 2024 Mar;17(3):e016239. doi: 10.1161/CIRCIMAGING.123.016239. Epub 2024 Feb 28.】を報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
健常者30例および全体的かつ高度左室収縮能低下の60例の症例登録は達成したが、3次元心エコー図データの解析および各データの統計解析に時間を要したことに加え、予後評価の追加を検討しているために時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
全例の解析の完了には至っていないが、概ね仮説を支持する結果が得られており、現段階では当初の研究計画にて推進可能と思われる。研究を進める過程で仮説を支持する結果が得られない場合は「同程度の左室心筋収縮機能低下」の幅を狭くし、なるべく近似した収縮不全における弁尖組織延長の効果を検討し、報告する予定としている。
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