研究課題/領域番号 |
20K20240
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90140:医療技術評価学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
細川 翔太 弘前大学, 保健学研究科, 助教 (20790554)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | PET / 画質評価 / 顕著性 / 核医学 / 標準化 / 視覚評価 / 視線追跡 |
研究開始時の研究の概要 |
医用画像の質を評価する方法はコントラストなどの計算によって求める方法と、視覚評価などの人間の感覚によって求める方法に分かれる。視覚評価が最も重要であるが、その結果は評価者に依存するため、統一した基準で評価することが困難である。コントラストなどの指標は計算で求めるため、誰が計算しても同じ結果が得られる利点があるが、視覚評価と結果が乖離することも多い。本研究はヒトの目に信号がどう映っているかを基準に評価する方法を確立する。画像中に描出される信号(病変)がどれくらい目を惹くのかを数値化するアルゴリズムを使用し、視線トラッキング情報と比較することで妥当性を示す。
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研究実績の概要 |
近年の急速な技術の進歩によって、核医学領域では各施設の画質の差が拡がっている。従来の画質評価法ではその差を正しく評価することができない。画質を診断医(ヒト)の見え方に基づいて評価することは、各画質を絶対評価する上で有効な手段であると考えられる。本課題では顕著性を用いることで主観に近い客観的評価が可能となると考え、評価法の確立を目指している。 昨年度まで成果として、顕著性を核医学分野(シンチグラフィ)の画質評価に適用して基礎的検討を行った(核医学技術 2021, 41(2), 175-184)。顕著性の妥当性は視覚的な評価と比較して示したが、定性的な評価であった。そこで、評価者の視線情報をアイトラッキングによって取得し、その動きと顕著性を比較することで定量的な評価を行った。視覚スコアと同様に、視線情報とも高い相関を示し画質評価指標として有用であることが示された。これまで自然画像で研究されてきたように、顕著性は核医学(PET)画像においても応用可能であることが示された。今年度は上記の内容をまとめた原著論文を国際誌にアクセプトさせることができた(Radiation 2022, 2(3), 248-258)。 本手法は現在、均一なファントムでのみ使用可能なものであり、不均一な撮像対象においても使用可能となる方法を模索している。前後のスライス画像の変化から発生する顕著性を利用することを予定している。また、近年ではディープラーニング(DL)を用いた顕著性の算出が広く行われていることからDLを用いた手法を検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目標としていたモンテカルロシミュレーションによるPET画像の作成、顕著性による画質評価、アイトラッキングデバイスによる視線情報の取得・顕著性との比較を行い国際誌に原著論文としてアクセプトを果たした。
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今後の研究の推進方策 |
今後は顕著性による画質評価の適用範囲を広げることを目的として研究を進める。 具体的には不均一な撮像対象の評価(前後のスライス情報を用いる手法、ディープラーニングを用いたセグメントを分けた上での顕著性の算出)に適用可能となる方法を模索する。
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