研究課題/領域番号 |
20K20248
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90140:医療技術評価学関連
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研究機関 | 東北文化学園大学 |
研究代表者 |
深谷 碧 東北文化学園大学, 工学部, 助教 (20826060)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 圧閉度 / ローラポンプ / 人工心肺 / 急性腎障害 / 血液損傷 / 合成高分子 / 疲労 / 機械学習 / 溶血 |
研究開始時の研究の概要 |
人工心肺装置で用いられるローラポンプはチューブの圧閉度と溶血が関係し、過度圧閉や不完全圧閉はともに溶血を引き起こす。圧閉度調整方法は日本工業規格に制定されているが、科学的根拠が明らかになっておらず、不適切圧閉による溶血起因の急性腎障害や圧閉度調整に時間を要することが課題となっている。そこで本研究では、圧閉されたチューブの断面積を計測することで機械的ストレスを算出し、実験動物を用いた溶血試験によって総合的に圧閉度を検証する。得られた研究結果をもとに、ローラポンプの適正な圧閉度の解明と圧閉度自動調整システムの開発を目的とする。
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研究成果の概要 |
人工心肺装置や補助循環装置に用いられるローラポンプはローラがチューブを加圧したときのチューブ内流路の閉塞の程度、つまり圧閉度が溶血と深く関係し、過度圧閉や不完全圧閉はともに溶血を助長する。現在までに、圧閉度調整方法は国際的な統一基準がなく、血液にどの程度の機械的ストレスが加わっているかは不明のままである。そこで、本研究ではローラポンプの圧閉度が血液に及ぼす機械的ストレスを解明するために、圧閉度を定量評価するシステムを構築した。また、圧閉度自動調整システムの開発を目指し、チューブ圧閉部の写真より圧閉度をクラス分類する機械学習システムを構築した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人工心肺装置を用いた心臓手術は年間44,000件以上実施されており、約50%の施設は手術中の全身血液循環維持にローラポンプ使用する。ローラポンプは圧閉度と溶血が深く関係し、溶血によって発生した遊離ヘモグロビンは腎障害を発症させるため、適切に圧閉度を調整することは非常に重要である。このような中、手術後20%の患者は急性腎障害を発症していることから、現在の基準が不適切である可能性は否定できない。したがって、科学的根拠を解明し、効率的な圧閉度調整方法を再構築することは、手術後の急性腎障害のリスク軽減、準備時間短縮による迅速な手術開始などに大いに貢献するものである。
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