研究課題/領域番号 |
20K20253
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90140:医療技術評価学関連
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研究機関 | 福井医療大学 |
研究代表者 |
藤田 和樹 福井医療大学, 保健医療学部, 准教授 (20649686)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 交通事故 / 自動車運転 / 踏み間違い / 筋電図 / 動作解析 / ペダルエラー / 運動制御 / 自動車事故 / 踏み違い / 高齢者 / 運動学 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者の自動車事故では認知機能の低下に関心が集まるが、高齢者では脊髄レベルで無意識に主動作筋と拮抗筋の活動を調整する機構(相反性抑制)が機能低下を起こし、結果としてペダルの操作エラーを引き起こす可能性がある。本研究では、高齢者のブレーキペダル急制動時の踏み間違いの原因を、運動生理学的視点から解明する。表面筋電計によりブレーキ急制動時の筋反応、協調性等を測定し、同期させた動作解析装置にて関節の角度や角速度を測定する。高齢者では、ブレーキの急制動時に若年者では観察されないヒラメ筋(拮抗筋)の筋活動が足関節運動を妨げる可能性がある。
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研究成果の概要 |
若年者11例と高齢者10例の成功した緊急ブレーキ操作の比較において、高齢者では踏み換え操作全体を通してヒラメ筋の活動性が高く、大腿直筋では活動開始の遅延が認められた。関節運動に関しては、高齢者は股関節内転速度が遅く股関節の内旋によって踏み換えを実行している傾向であった。 次に、踏み間違いが発生した3例の操作を抽出した。Case1では、ヒラメ筋の活動性が不適切なタイミングで増加し、アクセルの踏み込みが認められた。Case2では、アクセルリリース後に前脛骨筋とヒラメ筋が同期して収縮と弛緩を繰り返し、足先の揺れが認められた。Case3では、股関節の可動範囲が狭く、両ペダルの踏み込みが認められた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高齢者における若年者との運動制御の違いは,足の不正確な軌跡を引き起こしペダルエラーの発生に関連している可能性がある。高齢者では認知機能に関わらず無意識的に踏み間違いが発生する可能性がある。自動ブレーキシステムの発展によって,踏み間違い事故は今後減少していくと考えられる。しかし,あらゆる状況や環境でシステムが作動し,そして,そのような車両が日本のみならず世界全体に普及するかは不透明である。ヒューマンエラーへの対処も並行して進めることが肝要であり,本研究の結果は安全なペダル操作の指導,自動車ペダルの設計,免許更新時検査の再考などに資することができる。
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