研究課題/領域番号 |
20K20258
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
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研究機関 | 公立諏訪東京理科大学 |
研究代表者 |
橋本 幸二郎 公立諏訪東京理科大学, 工学部, 講師 (00756588)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 認知機能評価可能場面の検出 / 運転行動データマイニング / Sim2Real転移学習 / 認知場面検出手法の提案 / 運転場面マイニング手法の提案 / 認知機能評価指標の選定 / 運転場面検出手法の提案 / 実機実験環境構築 / 運転技量評価 / 人間行動モデリング / 深層学習 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者の交通事故の主因は認知能力の低下によるものであり、事故防止に向けドライバの能力低 下の早期発見が課題となっている。本研究の目的は、自動車に外付け可能な認知能力の検査器を 開発し、普段の運転中に認知能力の検査を可能にすることである。現在義務付けられている認知機 能検査は自動車学校にて免許更新時のみ実施されるため能力低下の早期発見は難しい。それ故、普段の運転から検査することが望ましい。しかし、認知能力の評価には、評価に必要な場面と対象を検出する技術が必要になる。また、高額なセンサが必要となると普及は難しい。本研究では、この二つの問題を解決した検査器を開発する。
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研究実績の概要 |
本研究は、実運転行動データからドライバの認知機能を評価するシステムの開発を目的としている。まず2021年度の成果として、一連の運転行動データの中から任意の運転場面の検出手法を提案した。一方、2022年度は先行研究で検証されている認知機能評価可能場面と任意の場面と定義し、提案手法に基づく認知機能評価可能場面の検出、及び検出された場面において既存の認知機能評価指標が算出可能かを検証した。評価指標にはTTC(Time-to-Collision)を用い、実験を通じて認知機能評価に用いられている評価指標が算出可能であることを確認した。以上の成果は、実運転行動データに基づき認知機能評価の可能性を見出したと言える。 一方、提案した運転場面の検出手法は教師あり学習を採用しており、事前に欲しい場面のデータを集めることが必要である。しかし、所望する場面が頻出しない場合、データ収集が困難である。対して、既存研究における認知機能の評価検証にはドライビングシミュレータ(DS)が用いられることが多い。そこで本研究では、DS内で所望の運転場面データを収集し、Sim2Real転移学習により、疑似現実運転場面データに変換することを試みる。現状、現実データとシミュレータデータとの差異を明らかにした段階である。また、運転行動データに対する自動分節化及びクラスタリング手法を提案した。この手法により、現実データとシミュレータデータをクラスタリングすることが可能となり、両クラスタ間の自動対応付けを行うことができれば、Sim2Real転移学習が可能となる。 研究期間の延長を申請しており、2023年度にはSim2Real転移学習を提案し、その有効性を検証する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
1年目に実験用車両の整備を行った際、コロナの影響により納品が大幅に遅れた。また、大学運営においてコロナ対応にエフォートが割かれたことから遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度はSim2Real転移学習手法を提案し、その有効性を確認する。手法の提案はできており、現在実装中である。この手法の有効性が確認できれば、シミュレータ上での認知機能評価に用いられる運転場面及び評価指標を実運転下に適用できる可能性を示すことになり、ここまでを成果として捻出する。
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