研究課題/領域番号 |
20K20272
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補助金の研究課題番号 |
17H06180 (2017-2019)
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 (2020) 補助金 (2017-2019) |
研究分野 |
思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
真鍋 祐子 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (00302258)
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研究分担者 |
金子 毅 聖学院大学, 政治経済学部, 准教授 (30383417)
李 美淑 立教大学, グローバル・リベラルアーツ・プログラム運営センター, 助教 (40767711)
藤岡 洋 東京大学, 東洋文化研究所, 助教 (80723014)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
25,740千円 (直接経費: 19,800千円、間接経費: 5,940千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
2018年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
2017年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 富山妙子 / 民衆美術 / ポストコロニアリル / フェミニズム / トランスナショナル連帯 / 越境 / 民主化運動 / ポストコロニアリズム / 記憶 / 炭鉱 / 韓国民主化運動 / シュルレアリスム / ラテンアメリカ / ナラティヴ・アート / 歴史的動態 / トランスナショナル公共圏 / コンタクト・ゾーン / 境界的空間 / ジェンダー / 超国家的民主化運動 / 独自的普遍 / 炭坑 |
研究開始時の研究の概要 |
1921年生まれの現役画家・富山妙子の作品世界は、1970年代以降、社会参与を通して世界の歴史的動態に働きかけてきた。特に1980年に韓国で起きた光州事件では、いち早くその惨劇を版画作品にし、日本からドイツ、アメリカなどを中継して世界中に周知させる役割をはたし、それが非合法に韓国にも入り民主化運動を励ましたと評価される。本科研はそうした富山妙子の思想と作品世界がどのように構築され、また制作された作品がどのように世界へ伝播し、その意味世界が世界の歴史的動態にどのような波紋を与えたかを明らかにする。あわせて富山所蔵の作品や資料の歴史学的価値に鑑み、それらのデータベース化と公表を目指している。
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研究成果の概要 |
本研究では富山妙子の画家人生と画業を「越境」という視座から捉え、まず画家自身の越境体験がその人生と作品をいかに構築したか、次にスライドや映画という複製可能なメディアに再編集された作品世界の越境性が韓国、タイ、フィリピンや中南米諸国等にまで及ぶ世界の歴史的動態にどう関連したか、という問いを立て、美術史、社会学、民俗学、歴史学等、学際的な共同研究を行った。その成果は延世大学校博物館・東京大学東洋文化研究所の共催による展覧会(2021年3月12日~6月30日)を通して社会的に還元された。延世大との共同作業を通じ、世界の構造的文脈における「不義と野蛮」の証言者という富山作品に一貫した意義が見出された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2016~17年の「ろうそく革命」をへて、韓国の民主化運動史が日本でも注目されている。特に光州事件を扱った映画「タクシー運転手」(2017年)は、情報の媒介者としての外部者が韓国の民主化過程に与したことを伝えるもので、富山妙子もその重要な一人として再照明されるようになった。本研究の社会的意義は、まず、一国史を超えた社会運動史の可能性を拓いた点にある。また、富山とその作品の「越境」がもたらした、日本と韓国にとどまらない、欧米、中南米、東南アジアの国々を繋いだトランスナショナル連帯と、歴史的動態との連関性の一端が明らかとなり、民主化運動をめぐるグローバル・ヒストリーの可能性が開拓された点にある。
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