研究課題/領域番号 |
20K20274
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補助金の研究課題番号 |
17H06182 (2017-2019)
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 (2020) 補助金 (2017-2019) |
研究分野 |
文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
久保 智之 九州大学, 人文科学研究院, 特任研究員 (30214993)
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研究分担者 |
承 志 追手門学院大学, 基盤教育機構, 教授 (80455229)
児倉 徳和 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (70597757)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
25,740千円 (直接経費: 19,800千円、間接経費: 5,940千円)
2021年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2019年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2018年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2017年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 言語学と歴史学 / 満洲語 / マンジュ語 / シベ / シベ語 / ジュンガール政権 / 地図制作 / 清朝における地図製作 / ジューンガル遊牧社会 / シベ語対談 / シベの歴史学的研究 / シベ語の言語学的研究 / シベ族の歴史学的研究 / ウリャンハイ=オトク / オンライン / 表記のゆれ / 方言差 / 時代差 / 档案資料 / 表記の揺れ / 表記や発音の揺れ / 歴史社会言語学 |
研究開始時の研究の概要 |
a. 海外(中国、台湾、オーストラリア)におけるシベ語口語の調査研究、b. これまでに刊行されたシベ語の出版物の収集(デジタル化)、c. シベ族とシベ語の歴史的変遷の解明などが、主な研究項目である。
a について:中国新疆ウイグル自治区でのシベ語の調査は、ここ数年は困難を極めている。代わりに台湾やオーストラリア在住のシベ族を訪ね、口語調査を行なっている。b について:シベ語の出版物の収集は、順調に進んでいる。これまで、1950年代から1990年代にかけての出版物を相当数収集した。c についても、解明が進んでいる。
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研究成果の概要 |
本研究課題は、言語学と歴史学の協働により、満洲語(マンジュ語)やシベ語の歴史的発展の解明に貢献した。また満洲語(マンジュ語)資料を使ったジューンガル遊牧政権の実態の解明、満洲人の測量や絵図作成の実態の解明に貢献した。 国際共同研究については、中国、チェコ、アメリカ、台湾、日本で国際研究集会を開催し、各国の研究者と学術交流を進展させることができた。研究期間の後半は、コロナ禍のもとでの研究となったが、特に分担者 承 志の努力により、インターネットを利用して、世界各地のシベの人々とのネットワークを構築できたのは、大きな成果であったと言える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
満洲語(マンジュ語)は、膨大な歴史文献を有する。ただ、満洲語の母語話者は、今やほぼ、いなくなってしまった(現在中国に1千万人以上いる満洲族は、ほとんどが漢語(中国語)を母語としている)。その満洲語と言語学的に近しい関係にあるシベ語は、現在、中国新疆ウイグル自治区の北西のイリ地区で、2万人程度のシベ族の話者によって話されているに過ぎない、いわゆる「危機言語」である。満洲語の研究とシベ語の研究は、相互に補完し合う関係にある。この意味で、膨大な満洲語の歴史文献の解明には、話者数が少なくなってしまったシベ語の研究が欠かせないのである。
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