研究課題/領域番号 |
20K20296
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補助金の研究課題番号 |
17H06239 (2017-2019)
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 (2020) 補助金 (2017-2019) |
研究分野 |
無機材料化学、エネルギー関連化学およびその関連分野
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研究機関 | 熊本大学 (2020, 2022) 東京大学 (2017-2019) |
研究代表者 |
野口 祐二 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (60293255)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
25,350千円 (直接経費: 19,500千円、間接経費: 5,850千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2018年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2017年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
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キーワード | 強誘電体 / 電気熱量効果 / 分極 / 欠陥 / ドメイン / ドメイン壁 / 格子欠陥 / エントロピー / 反強誘電体 / 酸素空孔 / 第一原理計算 / 電子材料 / エンタルピー / セラミックス / 温度 / 自発分極 / 遷移金属 / 欠陥ダイポール / 球温暖化ガス排出削減 / 代替フロン |
研究開始時の研究の概要 |
2020年以降の温暖化対策に関する国際ルール「パリ協定」が発行された.産業革命前と比べた世界の気温上昇を2℃未満にし,1.5℃以内に向けて努力することが明記されている.この2℃目標の達成には,世界で300億tのCO2の削減が必要とされている.我々は,次世代の冷却機器に利用可能な固体冷却技術の研究を進める過程で,フェリ誘電体の電場誘起相転移型と強誘電体の自発的分極反転型の新規電気熱量効果を発見した.しかし,これらのメカニズムの解明は進んでいない.本研究では,電場誘起相転移型と自発的分極反転型の新規電気熱量効果による冷却メカニズムの解明を目的とする.
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研究成果の概要 |
本研究では,次世代の冷却機器へ利用可能な固体冷却技術を開発することを目的とする。Cuドープにより導入された欠陥複合体とチタン酸バリウム強誘電体の自発分極の相互作用を活用し、分極反転を制御した。シングルドメイン型の電気熱量効果は、分極反転を伴わない試料と有意な違いは見られず、温度変化は確認されなかった。一方マルチドメイン型においては、ドメイン壁の脱挿入により室温で測定された中では世界最高の性能指数を得た。欠陥複合体と自発分極の相互作用を利用しマルチドメイン状態を安定化し、ドメイン壁の脱挿入を伴う分極反転状態を創出する材料設計が、電気熱量効果の増強に有効であることを実証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
強誘電体の自発分極と欠陥複合体の相互作用を巧みに利用することで,ユニポーラーの電圧印加で温度変化0.6 Kを観測した。ここで得られた性能指数は、室温における値としては世界最高性能である。欠陥複合体と自発分極の相互作用を利用した材料設計が、電気熱量効果の増強に有効であることを実証した。 空間反転対称性が破れた極性材料の一つである強誘電体の欠陥を制御して固体冷却が可能であることを実証した本研究は,既存の科学技術の延長線上にはない独創的な機能材料研究である.本成果は,自発分極が非常に大きいZnO、GaNやAlNなどの極性材料にも展開可能であり,固体冷却技術に変革をもたらす成果の創出が期待される。
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