研究課題/領域番号 |
20K20301
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補助金の研究課題番号 |
17H06254 (2017-2019)
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 (2020) 補助金 (2017-2019) |
研究分野 |
分子生物学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山大学 (2020) 北海道大学 (2017-2019) |
研究代表者 |
北原 圭 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 特任准教授 (30567855)
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研究分担者 |
宮崎 健太郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ長 (60344123)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
19,760千円 (直接経費: 15,200千円、間接経費: 4,560千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2018年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2017年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 自己増殖能 / 倍加時間 / バクテリア / 培養 / 大腸菌 / 増殖速度 / リボソーム / 分子進化 / バクテリアゲノム / 微生物 / 細菌 / バイオテクノロジー / 進化 / 遺伝子 / 増殖 / 培地 |
研究開始時の研究の概要 |
生物の際立った特徴の1つは、外部環境から取り込んだ栄養素を元に自己増殖を行う能力(システム)を有することである。この自己増殖能を最大限に発揮しているのは対数増殖期のバクテリアであり、たとえば大腸菌は至適条件下ではわずか20分おきに分裂増殖することが可能である。本研究では、バクテリアの自己増殖能をひとつの化学システムとして捉え、生命現象の根幹である自己増殖システムの効率(最大増殖速度)を極限まで高めることを目的とした実験を行うことを通して、効率的な化学システムとして完成された生物の姿を探求する。
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研究実績の概要 |
代表者は、生物システムを非生物システムから区別する性質である「自己増殖能」を効率性の観点から徹底的に理解することを試みるために本研究を実施している。特に、生命(=増殖)システムの本質を理解するためには、その化学的な最大効率を明らかにする必要があると考えた。究極的には2分とか3分とかで倍加するような生物を開発することを目指す研究を通じ、「最も生物らしいひとつのシステム」がどのように構築し得るのかについてアプローチしたいと考えている。今年度は昨年度に続き、申請書記載の研究計画を実施するとともに、異なる観点の研究項目も実施した。まず、自然界から増殖速度が大きい(倍加時間が短い)バクテリアを探索する技術を完成させ、複数の高速増殖(分離)株を入手することに成功した。これらの株の内いくつかについて、次世代シーケンサーを用いたゲノム解析を行った。ゲノムの大きさ(長さ)は増殖速度とは相関せず、因子Xと名付けた別の因子が増殖速度の高速化に寄与していることが推測された。今後の研究では、この仮説を検証するための研究を展開したいと考えている。また、本研究では大腸菌の増殖速度を最大限に高めることができる培養条件を既に構築しているが、こちらについても更なる条件検討を行うことにより効率的に大腸菌を増殖させる条件が明らかになってきた。また、培地添加物として培地中に導入すると効果的であるいくつかの成分を特定することができ、それらの添加量も最適化した。なお、バクテリアの増殖に対する律速となるのは、タンパク質合成装置リボソームの主成分であるリボソームRNA (rRNA)の数であることが古くから指摘されている。高速培養条件、あるいは高速増殖株で翻訳系にどのような変化が起きるのかについても併せて検討していく予定である。
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