研究課題/領域番号 |
20K20305
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補助金の研究課題番号 |
17H06267 (2017-2019)
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 (2020) 補助金 (2017-2019) |
研究分野 |
腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
荒川 博文 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 分野長 (70313088)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2020年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2019年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2018年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2017年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 相分離 / 液滴 / 非膜オルガネラ / ミトコンドリア / カルジオリピン / 代謝反応 / p53 / がん抑制 / 液-液相分離 / membrane-less organelles / 代謝反応制御 / membraneless organelles / ミトコンドリア品質管理 / 代謝制御 / 液- 液相分離 / ストレス応答 / リソソーム / オートファジー / 蛋白質分解 / タンパク質分解 |
研究開始時の研究の概要 |
ミトコンドリアは細胞のエネルギー産生工場であり、また代謝の中心的オルガネラである。一方で合目的的な細胞死を誘導するための重要なオルガネラでもある。従ってミトコンドリアの異常は、がん・神経変成疾患・老化など様々な病態に密接に関連しており、健常なミトコンドリア機能維持機構は、多くの疾患の予防や治療に極めて重要となる。我々はオートファジーやプロテアーゼとは異なる、第三のミトコンドリア機能維持機構を発見した。本機能の解明は、基礎研究領域において、これまでの常識を覆すパラダイムシフトを引き起こすとともに、多くのヒト疾患・病態に対する新しい予防や治療のアプローチを可能にすることが期待される。
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研究成果の概要 |
膜のないオルガネラとしての液滴は、液-液相分離によって誘導される。この新しい細胞内生命原理は、これまでの膜のあるオルガネラを中心とした学問では説明が難しかった現象を説明しうる新しい生物学として発展しようとしている。我々が長年研究を続けてきたp53誘導性タンパク質Mieapはミトコンドリアに液滴の形成を誘導することが明らかとなった。このMieap液滴は非膜オルガネラとしてミトコンドリアに特異的な脂質であるカルジオリピンの代謝反応を制御することで、ミトコンドリアの健常性維持に重要な役割を果たす。それによって、がん・認知症・老化などの病態から我々の健康を守ってくれている可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
古典的概念ではこれまで説明が難しかった代謝連続反応のメカニズムを、本研究課題が明らかにした全く新しい概念で説明できるようになる(パラダイムシフト)。細胞内の様々な生物活性の反応様式が、単なる教科書の図ではなく、リアリティーのある時空間的に動的な生物活性として理解できるようになる。Mieap液滴を応用することで、カルジオリピン代謝促進によるミトコンドリア健常性維持の新しい手段を得ることが出来る。それによって、がん・認知症・老化などのミトコンドリア異常を背景とした病態の克服に貢献し、人類の健康長寿を実現できる。
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