研究課題/領域番号 |
20K20316
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補助金の研究課題番号 |
17H06297 (2017-2019)
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 (2020) 補助金 (2017-2019) |
研究分野 |
環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
木庭 啓介 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (90311745)
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研究分担者 |
木村 浩之 静岡大学, グリーン科学技術研究所, 教授 (30377717)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2020年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2019年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2018年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2017年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 核酸 / 窒素同位体比 / DNA / RNA / 安定同位体比 / 安定同位体 / 食物網 / 微量分析 / 炭素同位体比 / 生態系 |
研究開始時の研究の概要 |
生態系の構造については古くから多数の研究が行われてきている。その中では、「ある生物がどれだけいて、何をしているのか」というもっとも基礎的かつ重要な情報がまったく不十分であるということも古くから指摘されている。 そこで、環境DNAについてその安定同位体比を測定すれば、理想的にはある生物種の在不在そしてその生物種がどのような栄養段階にあるか、どこに生息しているか、といった情報が一気に取得できると考えることができる。しかし、そのような測定は測定が大変困難であるためこれまでほとんど行われてこなかった。この核酸同位体比研究を将来展開するための、最も基礎的な部分について本研究は検討を行うものである。
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研究成果の概要 |
生物体中の核酸については、その窒素炭素安定同位体比についてほとんど理解されていない。そこで核酸の安定同位体比測定を実現するため、生物体からの核酸抽出と、その微量試料を用いた同位体測定のための手法開発を行った。元素分析計連結型質量分析計(EA-IRMS)を改良し、微量試料での測定手法を確立した。次にバクテリアを用いて核酸精製能が高い抽出キットを探索し、抽出された核酸の窒素同位体比をEA-IRMSで測定すると、菌体の同位体比よりも約8‰低い値で安定していた。よって、この手法で核酸窒素同位体比測定が可能となり、核酸窒素同位体比からバクテリア菌体の窒素同位体比を復元することができる可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この核酸窒素同位体比から生物体の窒素同位体比が復元できるという発見は、たとえば古環境研究において過去の生物の食性を解析したり、環境DNA研究において、採捕することのできない生物の食性を解析したり、というような全く新たな展開をもたらすことができる可能性を持つものである。今後、基礎的な知見として重要な、様々な生物におけるバイオマスと核酸の窒素同位体比の関係、炭素同位体比の関係を明らかにするところから展開してゆくことにより、本格的な発展が期待できると考えている。
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