研究課題/領域番号 |
20K20328
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補助金の研究課題番号 |
18H05307 (2018-2019)
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 (2020) 補助金 (2018-2019) |
審査区分 |
中区分4:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
久保田 尚之 北海道大学, 理学研究院, 特任准教授 (40359211)
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研究分担者 |
財城 真寿美 成蹊大学, 経済学部, 教授 (50534054)
塚原 東吾 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (80266353)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
25,740千円 (直接経費: 19,800千円、間接経費: 5,940千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2018年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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キーワード | データレスキュー / 航海日誌 / 気象データ / 外国船 / 台風 |
研究開始時の研究の概要 |
現在地球温暖化が問題となっているが、台風の発生数や強度に見られる変動が自然変動によるものか、地球温暖化による人為的なものか、明らかとなっていなかった。日本で気象台が開設した1872年まで遡って台風活動を調べることが可能となったが、江戸時代は日本では気象測器を用いた観測が行われていなかったため、古文書の日記にを頼りに日本での台風災害の有無が調べられてきた。本研究は江戸時代に日本近海に来航した外国船の航海日誌に記録した気象観測データに着目して、19世紀の日本周辺の気候を明らかにする。さらに、明治以降の気象台で観測した気象データとつなぎ合わせて、過去200年間の日本周辺の台風活動を明らかにする。
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研究実績の概要 |
海外の公文書館などに所蔵されている江戸時代の外国船の航海日誌を調査し、18世紀末には探検航海するイギリスやフランスからの外国船が日本近海に現れ、19世紀に入るとアメリカ海軍の軍艦等が日本に開国を求めるために日本近海を航行した航海日誌を入手した。これら江戸時代の1770年代から1860年代に日本近海を航行した外国船の航海日誌に記載された位置や気象データをまとめ、論文を投稿し、改訂中である。また、江戸時代末期に外国船が日本近海で遭遇した台風(1853年7月、1856年9月、1864年8月)の3事例について、航海日誌に記載された気象データをもとに経路等の解析を行ない、投稿中の論文にまとめている。 オランダの海軍資料に現れた気象観測記録のデジタイズと調査・研究をすすめ、オランダの関係機関(オランダ王立気象研究所KNMIおよびオランダ王立学術会議KNAW、国立公文書館NA)などとの協力関係を設定するための交渉を進めた。また3月にはこれらの機関との調整をさらにすすめ、2023年8月には共同のワークショップの開催を予定するところまで漕ぎつけている。 1870年代の日本における台風事例について、当時の英字新聞記事の収集整理を進めるとともに、各事例における灯台気象観測記録の気圧・気温データの切り出し,補正等を行った。また、当該課題で利用している19世紀末の日本各地の灯台で実施された気象観測について、解説文(英文)を日本のデータレスキューに関する書籍の一部に寄稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
江戸時代に日本周辺に来航したアメリカやイギリス海軍の航海日誌を中心に収集してきたが、2022年度の途中から海外出張が可能となり、加えてオランダ海軍の航海日誌の収集に向けた調査が行うことができるようになったため。 これまでに収集してきた江戸時代の外国船の航海日誌や明治初期の日本の気象資料に基づいて台風などの解析を行ない、学術論文の投稿や出版が進むようになったため。
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今後の研究の推進方策 |
江戸時代に日本周辺に来航した外国船の航海日誌に基づいて解析した論文を出版する。 現在のデジタイズについては、より広い範囲・時代をカバーするために、オランダ側での市民科学のセットアップなどの方向性を探っている。また2023年8月21-25日にはドイツ・フランクフルトでの国際学会(東アジア科学史会議)の席上で、これらの調査研究の報告を行うとともに、2023年8月末にはオランダでの関係機関の代表者を集めてのワークショップを企画中である。 1885年以降の灯台気象観測記録のデジタル化を進める。1870年代の日本における台風事例について、英字新聞記事の情報および気象データの分析結果をとりまとめ,学会等で発表する。灯台気象観測記録の気温データの品質管理を行い、19世紀末の日本における温度分布の特性に関する分析を実施する。
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