研究課題/領域番号 |
20K20339
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補助金の研究課題番号 |
18H05320 (2018-2019)
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 (2020) 補助金 (2018-2019) |
審査区分 |
中区分10:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
三輪 和久 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (90219832)
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研究分担者 |
鈴木 達也 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50235967)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2020年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
2019年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
2018年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
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キーワード | 認知モデル / 行動モデル / データ生成装置 / 認知アーキテクチャ / ドライビングシミュレータ |
研究開始時の研究の概要 |
伝統的な心の科学において,人間の「認知機構」の探求は,実験室における統制された実験において,組織的に収集された「実験データ」に基づき行われてきた。本プロジェクトの挑戦は,認知モデルと行動モデルという性質の異なる2つのモデルを統合することで,ここで生成的帰納演繹循環アプローチと呼ぶ,人間の心の科学の新しい探求の枠組みを開拓することである。あらゆる経験科学において,理論からの演繹と観察データからの帰納による演繹・帰納サイクルを循環させることは, その探求の基盤となるアプローチである。
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研究成果の概要 |
認知モデルと行動モデルという性質の異なる2つのモデルを統合することで,生成的帰納演繹循環アプローチと呼ぶ,人間の心の科学の新しい探求の枠組みを開拓することを試みた。本研究では、高速道路における自動車の合流場面を取り上げた。ACT-Rアーキテクチャを用いて、自動車運転ドライバの認知モデルを構築し、そのモデルをデータ生成装置として用いて、様々な状況における視線行動、運転行動、自動車の挙動のデータを生成した。生成データの検討の結果、本アプローチの有効性が認められた。また、ドライビングシミュレータを用いた実験において収集された行動データに基づくロジステック回帰モデルを用いた検討を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、人間の認知機構に関わる理論に基づき構築される認知モデルが,行動データ生成装置として機能する。人間の認知特性をダイレクトに反映した高性能な認知モデルを構築することができれば,構成的に,リアリティの高い様々な条件における行動データを生成できるようになる。さらには、まれにしか起きない状況や危険な状況における行動や、さらにはある特殊な認知特性を持った人間の行動などを、組織的に収集することができる。多様な高度認知的機能が必要とされる自動車運転という領域で、このような手法の可能性を検証することができたことは、心の科学の領域において、一定のインパクトを与えるものである。
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