研究課題/領域番号 |
20K20341
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補助金の研究課題番号 |
18H05322 (2018-2019)
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 (2020) 補助金 (2018-2019) |
審査区分 |
中区分12:解析学、応用数学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 (2019-2023) 東北大学 (2018) |
研究代表者 |
西浦 廉政 北海道大学, 電子科学研究所, 客員研究員 (00131277)
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研究分担者 |
藪 浩 東北大学, 材料科学高等研究所, 教授 (40396255)
渡辺 毅 公立諏訪東京理科大学, 工学部, 特任准教授 (40726676)
國府 寛司 京都大学, 理学研究科, 教授 (50202057)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
25,870千円 (直接経費: 19,900千円、間接経費: 5,970千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2020年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2019年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2018年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
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キーワード | 大域分岐解析 / ナノ微粒子 / 反応拡散方程式 / 相分離 / 自己組織化 / Cahn-Hilliard 方程式 / 空間局在解 / 反応拡散系 / ミクロ相分離 / ポリマー相分離 |
研究開始時の研究の概要 |
真に平衡から遠い複雑現象の理解のための非平衡組織中心網 (Far from Equilibrium Network)の探索,同定により,複雑ダイナミクスの統一的理解と制御の革新的方法論の構築を目指す.主たる対象としてナノ微粒子形態予測と制御,散逸系空間局在パターンの衝突問題,不均一性が生み出す多様な自発ダイナミクスに焦点を当て,これらの解明により普遍的枠組みを取り出す.方法論として,様々な条件下での微粒子作成実験,解構造全探索数値計算,分岐理論,データ解析を含む数学解析等を組み合わせ,材料科学,生命科学,流れ学,化学反応など様々な分野への新たな視座を提供する.
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研究実績の概要 |
1.本研究の中心課題である3次元ナノ微粒子系における多様なパターンを生み出す万能細胞ともいうべき数理的機構の解明と実験プロセスとの対応を明らかにした.とりわけ最終年度に明らかになったモデル方程式の時定数の重要性は特筆に値する.通常自由エネルギー汎函数の微分として,系の発展方程式は得られるが,複数の未知関数が存在する場合,それらの時定数比は確定していない.最速降下法(時定数比=1)が自然なものとして採用されるが,それに深い物理的理由はない.代表者らはブロック共重合体微粒子における多面体構造形成をCoupled Cahn-Hilliard方程式の時定数を変えることにより数値探索を実施し,圧力や初期濃度などの実験設定がモデル方程式の時定数と密接に関係することを初めて理論的に明らかにした.ナノスケールで複数の角を持つ多面体解の生成は反直感的であり,それを生み出す機構は大きな謎であったが,本研究によりその疑問の一部が解決された.すなわち実験過程の何が他より先に進行するか,あるいは遅いのかという時定数比に関わる設定が最終形状に決定的な影響をもたらすことが明らかとなった.適切な初期値と時定数比というパラメータにより動的に最終パターンは決定されるのである.本成果はアメリカ化学会のACS Omega に受理され(2024年3月),高い評価を得,その表紙を飾った. 2.自由エネルギー探索のための信頼できる数値計算法,特にエネルギーの単調性を担保する構造保存型スキームの開発,また不安定解探索のためのOptimization-based Shrinking Dimer(OSD)法による大域探索においても基礎的貢献を果たした.3種反応拡散系における振動テールを持つパルスの対消滅現象や不均一領域でのダイナミクスを生み出す組織中心網についても大きな成果を得た.
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