研究課題/領域番号 |
20K20354
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補助金の研究課題番号 |
18H05337 (2018-2019)
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 (2020) 補助金 (2018-2019) |
審査区分 |
中区分24:航空宇宙工学、船舶海洋工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
川畑 友弥 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (50746815)
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研究分担者 |
高嶋 康人 大阪大学, 接合科学研究所, 助教 (50397692)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
25,610千円 (直接経費: 19,700千円、間接経費: 5,910千円)
2020年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
2019年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2018年度: 11,310千円 (直接経費: 8,700千円、間接経費: 2,610千円)
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キーワード | 脆性亀裂伝播 / 鋼 / 高靭化 / 亀裂分岐 / 表面加工 / ディンプル / 散逸エネルギー / アレスト / 破壊力学 / 鉄鋼材料 / 船舶安全性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では材料の高靭化によるアレスト性向上に代わる新しい手法、①き裂分岐促進による高靭化、②サイドリガメント効果最大化のためのディンプル加工を検討するものである。これらの発想は誰も考えたことの無いもので、いずれも使いこなすことができれば脆性き裂伝播停止技術として極めて効果的でこれまでの設計方法を塗り替えることも期待できるまさに挑戦的な課題である。また、これらの提案は、当然ながら合理的な物理的検討に支えられている必要があり、長年の課題である脆性き裂伝播停止のメカニズム究明にも多いに資するものである。
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研究成果の概要 |
本研究では、二つの逆転の発想ともいうべき手段の実現性を追求するための実験的研究を行った。「Ⅰ.き裂分岐促進による高靭化」については、分岐を人工的に誘発させることのできる技術の確立とまではいかなかったが、負荷モードの相違によりその分岐速度は大きくことなることを初めて知見するなど人為的分岐発生対し大いに参考になるデータが得られた。新たな分岐理論モデルも併せて提案した。また「Ⅱ.サイドリガメント効果最大化のためのディンプル加工」については、ディンプル加工を行うことにより亀裂伝播抵抗が増加することが実験的に示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
船体やエネルギー分野など高い信頼性を要求される大型溶接構造物において脆性破壊事故は絶対に避けなければならない破壊形態である。それらの発生を万が一想定した場合の脆性き裂伝播停止特性が実際に考慮されており、今後も構造物設計の要になる。大型化の著しいコンテナ船最大板厚である90~100mmは最新の圧延技術,TMCPのほぼ限界である。また高強度化についても溶接部疲労の観点から難しい。例えば目標厚を150mmと定めた場合高価なNiなどのレアメタル元素添加に頼らざるを得なくなり現状の延長線上では経済的に実現性が乏しい。これらの状況を打破できる効果的な脆性き裂伝播停止特性付与技術は産業上の大きなニーズである
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