研究課題/領域番号 |
20K20386
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補助金の研究課題番号 |
18H05378 (2018-2019)
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 (2020) 補助金 (2018-2019) |
審査区分 |
中区分50:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 公益財団法人川崎市産業振興財団(ナノ医療イノベーションセンター) |
研究代表者 |
片岡 一則 公益財団法人川崎市産業振興財団(ナノ医療イノベーションセンター), ナノ医療イノベーションセンター, センター長 (00130245)
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研究分担者 |
Cabral Horacio 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (10533911)
津本 浩平 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (90271866)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2020年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
2019年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
2018年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
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キーワード | 免疫チェックポイント阻害剤 / mRNA / 高分子ミセル / 膠芽腫 / がん免疫療法 / ドラッグデリバリーシステム / 血液脳腫瘍関門 / 抗体 |
研究開始時の研究の概要 |
免疫チェックポイント阻害剤によるがん免疫療法を膠芽腫に対して奏功させるためには、膠芽腫が形成する血液脳腫瘍関門を突破するとともに膠芽腫内の免疫チェックポイント阻害剤の濃度を格段に高められる革新的技術の開発が不可欠である。そこで、本研究では、免疫チェックポイント阻害剤をコードする伝令RNA(mRNA)の構築とmRNAを膠芽腫に届ける高分子ミセルの開発に取り組むことにより、膠芽腫内で大量の免疫チェックポイント阻害剤を持続的に増幅産生させ、膠芽腫を徹底的に駆逐できるがん免疫療法を開発する。
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研究成果の概要 |
膠芽腫は生命予後の極めて悪い脳腫瘍であり、免疫チェックポイント阻害剤の有効性が示せていない。本研究では、伝令(m)RNAを用いて、腫瘍組織内で免疫チェックポイント阻害剤を持続的にその場産生させることで膠芽腫を駆逐する新たな治療戦略の構築に向けた基盤技術の開発に取り組んだ。具体的には、免疫チェックポイント阻害剤のうち抗PD-L1抗体の単鎖抗体をコードしたmRNAの構築と、そのキャリアとして高分子ミセルの構造と機能の最適化を進めた。最終的に、構築したmRNAを内包する高分子ミセルを用いて、脳組織や膠芽腫内で抗PD-L1抗体の単鎖抗体を発現させることに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
最も悪性度の高い脳腫瘍として知られる膠芽腫の平均余命は1年余りと絶望的に低く、免疫チェックポイント阻害剤などの抗体医薬はほとんど効果がない。この一つの理由として、膠芽腫内血管の内皮細胞が血液脳腫瘍関門を形成して物質輸送を著しく制限していることが挙げられる。本研究で実現を目指した治療法は、頭蓋内に注入したmRNAにより、持続的に免疫チェックポイント阻害剤を増幅産生させられるうえ、研究代表者らが別途開発してきた血液脳腫瘍関門を突破する機能を有する高分子ミセルの技術と組み合わせることで、静脈内投与の経路でも膠芽腫の治療を実現できる可能性を持つ意義の大きいものである。
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