研究課題/領域番号 |
20K20394
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補助金の研究課題番号 |
18H05388 (2018-2019)
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 (2020) 補助金 (2018-2019) |
審査区分 |
中区分57:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 松本歯科大学 |
研究代表者 |
小林 泰浩 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 教授 (20264252)
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研究分担者 |
小出 雅則 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 准教授 (10367617)
村上 康平 岡山理科大学, 獣医学部, 助教 (60791837)
上原 俊介 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (90434480)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2019年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2018年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | マクロファージ / 骨再生 / Wnt / 筋再生 / 間葉系幹細胞 / 幹細胞 / 組織マクロファージ / 組織再生 / 骨折治癒 / 骨芽細胞 / 破骨細胞 / 分化 |
研究開始時の研究の概要 |
臓器には、それぞれに特異的な組織マクロファージ(M2Mφ)が存在し、臓器の恒常性の維持と組織再生に関与している。しかし、幹細胞が実質細胞へ分化する機構は、十分に解明されていない。我々は幹細胞の分化を制御するMφが各臓器に存在するとの仮説を着想した。骨髄の間葉系幹細胞は骨芽細胞、骨細胞、軟骨細胞、脂肪細胞へと分化する。骨折治癒過程では、軟骨仮骨から石灰化骨への置換が観察できる。この過程においてRANK-Creマウスを用いた系譜解析を行い、間葉系幹細胞の分化とその分化を司るM3Mφを同定し、その分化を司るマスター転写因子の機能を解明する。
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研究成果の概要 |
骨修復におけるマクロファージ(Mφ)の役割を検証した。骨修復モデルマウスにCsf1r中和抗体とクロドロネートリポソームを投与し、Mφを除去したところ、F4/80陽性Csf1r陰性のMφが骨損傷治癒を促進することが明らかになった。MφはCsf1rを発現することを考慮すると、このMφは新規マクロファージである可能性が示唆された。また、この新規Mφは、Wntシグナルを活性化し、間葉細胞の骨芽細胞への分化を促進した。RNAseq解析の結果、F4/80 陽性;Csf1r陽性Mφとは、遺伝子発現が異なるMφであることを明らかにした。以上より骨修復を促進する新たなマクロファージ亜集団を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
クロドロネートリポソームおよびCsf1受容体(Csf1r)中和抗体を用いたMφ除去実験から、F4/80(+)かつCsf1r(-)の新規Mφが、Wntシグナルを活性化し骨再生を促進することを見出した。通常マクロファージはCsf1rを発現すると考えられている。骨再生過程に出現するF4/80(+)かつCsf1r(-)のMφはこれまでにないマクロファージ亜集団と思われる。さらに、骨再生を司るMφの同定は未解明であり、本研究成果は、炎症性Mφと修復性Mφという組織Mφに関する従来の概念を大きく変える可能性をもつ。我々は、実験誤差が少ないマウス骨再生モデルを確立した点も骨再生研究に貢献する。
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