研究課題/領域番号 |
20K20408
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補助金の研究課題番号 |
19H05472 (2019)
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 (2020) 補助金 (2019) |
審査区分 |
超高齢社会研究
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
茅 暁陽 山梨大学, その他部局等, 理事 (20283195)
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研究分担者 |
藤代 一成 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (00181347)
柏木 賢治 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (30194723)
郷 健太郎 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (50282009)
豊浦 正広 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (80550780)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
25,610千円 (直接経費: 19,700千円、間接経費: 5,910千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2020年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 加齢黄斑変性 / 変視症 / 視野同定 / Corrected Reality / 適応的視力増強 / 加齢黄斑変性症 / AR・VR・CR / 計算眼科学 |
研究開始時の研究の概要 |
加齢黄斑変性症(AMD)は,年齢を重ねるに従って網膜の中心に位置し視力の中核的機能を担う黄斑に異常が生じ,見え方の質が著しく低下する病気である.本研究では,老齢者でも患者自らが身近なPC・携帯端末等を用いて自身の症状を手軽に検査でき,その結果に基づいて,日常生活の場面ごとに個人の視覚特性に合致したコンテンツを提示することにより,視野の歪みを軽減し,中心暗点で消失した情報を補い,患者の見え方の質,ひいては生活の質まで大幅に改善させられるような情報工学技術としてCR(Corrected/Complemented Reality)技術を確立する.
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研究実績の概要 |
加齢黄斑変性症(AMD、Age-Related Macular Degeneration)は、年齢を重ねるに従って網膜の中心に位置し視力の中核的機能を担う黄斑に異常が生じ、ものが歪んで見えたり(変視)、視界の中心部が暗くなったり(中心暗点)、 QOV (見え方の質、Quality of Vision)が著しく低下する病気である。本研究では、患者自らが身近なPC・携帯端末等を用いて自身の症状を手軽に検査でき、その結果に基づいて、日常生活の場面ごとに個人の視覚特性に合致したコンテンツを提示することにより、視野の歪みを軽減し、欠損した情報を補い、患者のQOV ひいてはQOL まで大幅に改善させられるような情報工学技術の提案を目的とし、A:視界特性同定、B:視界矯正/補完、C:症状-病態の相互予測の3 つの研究課題から構成されている。 令和5年度の成果として、課題Aについては、視線追跡機能を備えたVRヘッドセットを用いた高速視野同定技術を開発した。臨床用の検査装置は長時間の姿勢維持が必要であり、患者に大きな身体的および心理的負担を与えるという問題があった。提案手法では、空間の階層的表現法である4分木アルゴリズムを用いて簡単な操作で迅速な視野同定を可能にした。10名の正常な視野を持つ協力者に代表的な視野欠損症状を模擬する眼鏡を装着してもらい評価実験を実施したところ、既存手法に比べ、同等以上の精度を得ながら、検査時間を三分の一に短縮することができた。課題Bについては視野矯正補間において視線情報のリアルタイム反映がより重要なため、これまでに開発したシステムにおける視線追跡データの反映法の改善を行った。課題Cの症状-病態相互予測については、最新の深層学習技術を用いてカラー眼底画像から視野検査結果を予測する技術を開発し、既存のOCT画像を用いた手法よりも高い精度で予測することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウィルス感染症の拡大により、本技術のサポート対象である高齢者による評価実験の実施を予定より遅らせる必要があったが、令和6年度に完了予定である
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今後の研究の推進方策 |
課題Aについてはすでに令和4年度に2名の患者による評価結果を分析した結果、インタフェースの改善が必要であることが明らかになったため、令和5年度はインタフェースの改善を行い、追加実験の環境を整えたため、令和6年度にさらに4名程度の協力者を募り、評価実験を実施する予定である。また、評価実験の結果を踏まえ、国際会議論文を拡張し論文誌への投稿を行う予定である。課題Bについてはこれまで正常な視野をもつ協力者による模擬的な試験においてよい結果が得られているが、令和6年度は実際の患者による評価実験を実施し、成果を論文にまとめる予定である。課題Cについてはさらに深層学習モデルの改良を行い、精度を改善を図った上で、成果をまとめた論文を投稿する予定である。
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