研究課題/領域番号 |
20K20412
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補助金の研究課題番号 |
19H05479 (2019)
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 (2020) 補助金 (2019) |
審査区分 |
中区分3:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
佐藤 朗 大阪大学, 大学院理学研究科, 助教 (40362610)
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研究分担者 |
廣川 守 公益財団法人泉屋博古館, 学芸課(本館), 館長 (30565586)
長柄 毅一 富山大学, 学術研究部芸術文化学系, 教授 (60443420)
南 健太郎 岡山大学, 埋蔵文化財調査研究センター, 助教 (60610110)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
25,870千円 (直接経費: 19,900千円、間接経費: 5,970千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 22,750千円 (直接経費: 17,500千円、間接経費: 5,250千円)
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キーワード | ミューオン / 宇宙線 / 非破壊分析 / 元素分析 / 考古学 / 博物館 / X線 / 非破壊検査 / 文化財 / 考古資料 / 青銅器 / オンサイト分析 / 非破壊元素分析 |
研究開始時の研究の概要 |
貴重な文化財資料の内部組成を、博物館に居ながらにして、資料を全く傷つけずに分析する新しい手法を開発します。そのために、宇宙から地上に絶えず降り注いでいる「宇宙線ミューオン」を活用した、「宇宙線ミューオンX線分析法」の実現を目指します。特に、古代青銅器の分析に注目して、青銅器の元素組成や鉛同位体比を宇宙線ミューオンを用いて分析する技術確立に挑戦します。実際に開発した装置を博物館に設置し、古代青銅器の鋳造技術や産地同定の可能性を検証する計画です。
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研究実績の概要 |
本研究は、文化財資料を全く傷つけること無く、資料内部の成分や同位体比情報を博物館に居ながらにして調べることを可能とする全く新しいオンサイト非破壊 分析方法「宇宙線ミューオンX線分析法」を開発して、貴重文化財における科学分析の新しい時代を開拓しようとするものです。特に、古代青銅器を対象とし て、資料の元素組成や鉛同位体比を宇宙線ミューオンを用いて分析する技術確立に挑戦します。 本年度は京都泉屋博古館における実考古資料に対するミューオンX線分析実施に向けて、実機測定システムの準備を進めました。測定資料の候補としては、古墳時代前期に製作されたとされる「ダ龍鏡」(直径22.9 cm、重量1100 g)を選定しました。本資料のモデルをモンテカルロシミュレーション内に組み込み、検出器配置の最適化を行ないました。シミュレーションによる検討については、将来、博物館などに設置する可能性としてゲルマニウム検出器の数を大幅に増強した装置の場合も含めて、結果を論文として公表しました。これらの検討により、新しいシンチレーション検出器を設計・製作し、動作確認を行いました。 また、泉屋博古館のセキュリティーを侵さずに、大学など博古館から離れた場所でも測定状況をモニターし、データ収集を操作するシステムの構築が必要です。そのために、博古館内のネットワークとは完全に独立にモバイルルーターを使用した遠隔制御系を構築し、長時間の動作試験を行いました。また、データ収集用コンピュータやゲルマニウム検出器を停電や瞬停から保護するために無停電電源を組み込んだ電源系を構築しています。 これらの実機測定システムを大阪大学内に構築し、模擬資料を用いた予備測定を進めています。実機測定システム構築に時間を要したため、京都泉屋博古館における実考古資料の測定は、2023年度に実施することとしました。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
京都泉屋博古館における実考古資料ミューオンX線分析に用いる実機測定システムの設計において、当初使用を検討していたシンチレーションカウンターの光センサーでは、出力光量少ないために背景事象除去の性能が十分でないことが判明したため、大幅に設計を見直しました。そのため、2022年11月に予定していた京都泉屋博古館での実測を延期することになりました。改良したシステムは大学で予備試験を行なっており、2023年度中に実測に移行する予定です。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の最終目的である博物館における実資料の宇宙線ミューオンX線分析を実施します。具体的には、泉屋博古館において古代青銅器、古墳時代前期の「ダ龍鏡」を分析します。すでに博物館側と相談し、測定装置の設置場所などは決定しています。数ヶ月間の連続測定を予定しており、2023年度末までに分析結果をまとめて論文などで公表する予定です。
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